経営者Q&A

雇用保険制度が大幅に変わります(2001年2月)

【Q】雇用保険法の失業手当が大幅に削減されると聞いていますが、その内容はどのようなことなのでしょうか?

 この度の雇用保険制度の改正は、1)基本手当の給付体系の変更 2)雇用保険料率の引き上げ 3)育児・介護休業給付の引き上げ 4)派遣労働者・パートタイマーの適用条件の緩和、等々その内容は盛り沢山ありますが、ご質問の1)の項目についてご説明しましょう。
 現在は、社員が会社を離職した場合、勤続年数と離職日の年齢によって基本手当(失業手当)の給付日数が決定します。しかし、平成13年4月1日からは、離職理由が加味され、自己の都合によって離職した人および定年退職者等、離職する前から再就職の準備ができる人に対しては、全般的に給付日数は削減されます。(表1参照)
 一方、倒産や解雇等によって離職した場合は、60歳未満の人では、給付日数は横ばいか上積みされます。特に企業のリストラ等で退職を余儀なくされた人は「特定受給資格者」と認定して、手厚い給付日数が給付され、再就職が難しい中高年層に配慮されています。(表2参照)
 「特定受給資格者」認定の要件は、『当該労働者の離職は、雇用契約の相手方である事業主から雇用契約の終了を働きかけることにより行われ、当該労働者が再就職の準備を行う時間的な余裕もなく離職を余儀なくされた場合』とされています。
 具体的には右記に掲げる人々を指しますが、詳細については省令で定められております。 〔「倒産」等により離職した者〕
 1)倒産に伴い離職した人 2)事業所の縮小または廃止に伴い離職した人 3)事業所の移転で通勤困難となったことにより離職した人
〔「解雇」等により離職した人〕
 1)解雇(重責解雇を除く)により退職した人 2)実際の労働条件が採用時に示された条件と著しく相違していたことにより退職した人 3)継続して2カ月以上にわたり賃金の一定割合以上が支払われなかったことにより退職した人 4)賃金が、その人に支払われた賃金に比べて一定程度未満に低下したため退職した人 5)事業主が労働者の職種転換等に際して、当該労働者の職業生活の継続のために必要な配慮を行っていないため、雇用契約の終了を余儀なくされた人
 今回の法改正で、離職理由に関しては「特定受給資格者」の認定が大きな要素を占めています。
 離職理由によって基本手当(失業手当)の給付日数が大きく異なり、また、失業手当の給付額も最大で6割も減少する場合もあり得ます。そのため、会社側と離職者との間で離職理由の食い違いが生じる可能性がありますので、その内容を明確にしておくことが後々トラブルが生じないためにも特に大切です。
 具体的には離職者自筆の退職届を提出させて、離職理由を周知徹底させることも必要かと思われます。


2001年 4月以降の給付日数(一般の離職者) 一般の離職者

被保険者
期間
6ヶ月~
1年未満
1年~5年
5年~10年
10年~20年
20年以上
~29歳
90日
90日
120日
(+30日)
150日
(▲30日)
----
30~44歳
90日
90日
120日
(▲60日)
150日
(▲60日)
180日
(▲30日)
45~59歳
90日
90日
(▲90日)
120日
(▲90日)
150日
(▲90日)
180日
(▲120日)
60~64歳
90日
90日
(▲150日)
120日
(▲180日)
150日
(▲150日)
180日
(▲120日)

表2 特定受給資格者
被保険者
期間
6ヶ月~
1年未満
1年~5年
5年~10年
10年~20年
20年以上
~29歳
90日
90日
120日
(+30日)
180日
----
30~44歳
90日
90日
180日
210日
240日
(+30日)
45~59歳
90日
180日
240日
(+30日)
270日
(+30日)
330日
(+30日)
60~64歳
90日
150日
(▲90日)
180日
(▲120日)
210日
(▲90日)
240日
(▲60日)
※カッコ内は、現在の所定給付日数との差、▲はマイナス

戸室労務管理事務所・ 社会保険労務士
戸室康廣(中央区支部)
TEL 03-3230-8588

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