経営者Q&A

試用期間中の解雇と手続き(2009年2月)

【Q】当社では先月、3人の従業員を中途採用しました。そのうちの一人Aは、勤務態度が悪く、たびたび遅刻をするなど仕事に熱意が感じられません。当社の就業規則では試用期間を3ケ月とし、「試用期間中、従業員として不適切と認められる場合は解雇することがある」と定められています。中途採用者Aは入社して1ケ月が経ちますが、当社としてはその者を適性がないとして解雇したいのですが、その手続きと留意点について教えてください。

試用期間とは使用者が新たに従業員を雇い入れる場合、従業員としての適格性をみるために一定期間「試みに」採用する期間をいいます。
 この法的性格は試用期間中の者に従業員としての適格性がない場合、そのことを理由に雇用契約を解除できるという解約権留保付雇用契約であるとされています。試用期間は、この期間中に勤務態度や能力、技能あるいは性格等をみて正式に従業員として採用するかどうかを決定するものです。
 試用期間の長さについては、会社が自由に定めることができ、とくに明確な規定はありませんが、あまり長いと従業員の地位を不安定にするものですから望ましくありません。一般的には3ケ月から6ケ月程度のものが多いようです。このような試用期間を設ける場合はそのことを入社の時に明示しておくことが必要です。明示がなければ始めから本採用をしたことになり後日採用取消(解雇)の時にトラブルになる恐れがあります。
 労基法では採用後14日間以内であれば解雇手続きなしに採用取消(解雇)できますが、14日を過ぎると通常の解雇と同じように解雇手続きが必要になります。
 本採用拒否(解雇)を行うためには、(1)就業規則や労働協約に解雇事由の定めがあり、それに該当する事由があること。(2)試用期間中の解雇であっても解雇手続きが必要であり、30日前に解雇予告をするか解雇予告手当として30日分の平均賃金を支払うこと。(3)解雇に正当な理由があること、等が必要です。
 ただ試用者の場合、試用期間という性質上、通常の解雇より解雇事由の範囲が広いということになります。具体的には勤怠状況が悪い、協調性がない、業務不適格などがあります。
 しかし、いかに幅が広いといっても解雇が無制限に認められるものではなく労働契約法に定められている通り、客観的に合理的理由を欠き、社会通念上相当であると認められない解雇は不当解雇として無効になることもあります。
 ご質問の場合は、雇い入れて1ケ月を経過していますので、30日前に解雇予告をするか解雇予告手当として30日分の平均賃金を支払うことが必要です。ただ解雇を通告する前に充分話し合いをし、指導することが望まれます。それでも改善されない場合は、本採用拒否(解雇)もやむを得ないと思います。



豊福 雅典(千代田支部)
豊福労務経営管理事務所
特定社会保険労務士
TEL.03‐3264‐6388

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