東京信用保証協会と東京中小企業家同友会の懇談会報告書


東京信用保証協会と東京中小企業家同友会の懇談会報告書


 2009年12月16日、東京中小企業家同友会は東京信用保証協会と第9回目の懇談会を行いました。主なテーマとなった下記の点についてご報告致します。

出席者

保証協会佐藤 政一東京信用保証協会保証統括部長
河島 英夫東京信用保証協会保証統括部副部長 
有竹 博史東京信用保証協会保証統括部保証統括課長
矢坂 広泰東京信用保証協会保証統括部保証統括課上席課長代理 
根本 厚東京信用保証協会企画部副部長
池上 智東京信用保証協会企画部副部長
市村 明則東京信用保証協会企画部企画課課長代理
同友会板橋 和彦 政策部長
水戸部 良三 副代表理事
政策部員:古仲裕二、佐々木正勝、竹添幸男 三宅一男、
事務局:荻原邦弘


1.緊急保証について

(1)緊急保証の業種を拡大し、原則的に解除していただきたい。

業種指定は経済産業大臣が行うことであり、協会で変更することはできません。協会としては指定業種となっていない場合でも他の制度によりできるだけ柔軟に保証できるようにしています。また、11月27日に業種の指定を変更し、781業種から793業種に増やしており保証対象業種908業種の87%をカバーしています。12月8日に発表された「明日の安心と成長のための緊急経済対策」の中では、次年度も緊急保証を継続し、一部の例外を除き全業種に拡大する「景気対応緊急保証」を創設する旨発表があったので、今後期待しています。


(2)保証承諾と融資までの期間がかかり、「緊急」に対応できない場合が多く聞かれる。円滑に、かつ回答期限を明確にして対応されたい。

審査期間を短縮することが企業のタイムリーな資金調達につながるという考えから、協会での保証申込受付から承諾までの期間をできるだけ短くするよう努力をしています。緊急融資がはじまった昨年(2008年)末には申込が殺到したためご迷惑・ご心配をおかけしましたが、休日出勤なども含め対応させていただきました。現在は、金融機関などからの申込みから7日間程度で承諾の可否を決めています。今までに取引のある企業に対してはそれより短期に回答できる場合もあります。


同友会側からの質問:「同友会のアンケートでは最大60日かかったというのがあるが」
回答:金融機関に融資依頼をしてから実際に融資を受けるまでかもしれません。協会で保証申込を受付する前及び保証を承諾した以降については、金融機関の内部手続きに関するものなので、協会ではタッチすることができません。協会としては、先ほどお話ししたように迅速な保証審査、保証承諾を心がけ、できる限り早く対応するようにしています。保証できるかどうか、金額はどれくらいかを申込があってから総合的に検討し、「内諾」を金融機関に伝え、不足書類の送付をお願いし、不足書類がなければすぐに承諾しています。協会では、金融機関に対して「申込の際には不足資料がないよう」協力してほしい旨を常々要請しています。引き続き、金融機関との連携を強化していきたいと考えています。


同友会側からの質問:「申し込む以前に、『いま融資しているものを返済していただければ、新たに保証付きの融資が可能と協会が言っている』とのことがあったが、そうした場合、内諾をしているのか」
回答:「内諾」は申し込みがあってから審査をして行うもので、一般的には申し込み前に内諾することはありません。

(3)不況が長期化する様相なので、1億円を限度とし返済期間が長期(たとえば15年返済)の保証を開発し資金需要のある中小企業に対して融資の増額ができるようにしていただきたい。

緊急保証は国の統一制度なので、これを10年以上で取扱うことはできません。「緊急保証」では、いままでの保証付き融資を口数集約したうえで新たに追加融資分を加え、10年間を限度として返済負担を軽減することも可能であり、企業の資金ニーズと資金繰り安定を考慮した保証を行うよう心がけています。
また、長期で利用できる保証制度として、長期経営資金保証(有担保 2億円限度 運転が15年 設備が20年)があります。この保証債務残高は963件303億円になっています。


2.責任共有制度について

中小企業家同友会は「責任共有制度」を廃止し100%保証に戻すことを要望しています。金融機関のモラルハザードは当会の主張する「金融アセスメント法」などでの対応が必要であり、この間ほとんどの融資が「緊急保証」になっている状況をみるならば、さまざまに変化するする金融・経済状況や中小企業の多様な資金需要に対応するには100%保証が効果的であると考えるがいかがですか。

信用補完制度(信用保証と信用保険などのシステム全体)にかかわることなので、一協会としてはお答えできる立場にはありません。ただ、100%保証は緊急保証や創業保証、小規模零細企業への保証などがあり、多様なニーズにこたえて保証をしていくことができると考えています。


3.予約保証制度について

予約保証制度の保証限度額を8000万円の限度額に対応して運用できるよう要望します。

これも国の制度なので、当協会としては回答できません。
現在までの利用状況は、2009年4月~11月までで6件1億2000万円、2008年12月の制度開始からでは25件4億円であり、利用件数は少ないようです。この間のほとんどの保証が緊急保証になっていたので(緊急保証のほうが低利で長期なので)、今後、国が分析し検討がなされていくのではないかと考えています。

4.他の保証制度について

(1)現在政府の中心となっている民主党のマニフェストで掲げた、「政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。」ということについてどう考えるか、保証協会として検討していることがあれば紹介されたい。

当協会では、第三者保証はほとんどありません。例外として他に「実質的経営者」がいる場合等には、保証人になってもらうことがあり、約3%ほどあります。
同友会側からの質問:「民主党の政策は経営者本人の保証もはずすことを言っていると思うがその場合はどうか」
回答:資本と経営の分離が進んでいないのがわが国中小企業の特徴であり、企業の実態や経営者の資質を見て保証承諾を行うので赤字企業にも保証できるのです。国の施策で経営者の個人保証もはずすと決まればそれに従うしかありませんが、かえって柔軟な保証を行うことが困難になるようにも思えます。
同友会側から「企業の実態が保証可能なら、経営者の個人保証もいらないのでは?」など意見がでており、今後の議論が必要なことがわかりました。


(2)「中小企業者等に対する金融の円滑化を図るための臨時措置に関する法律案(仮称)」と「条件変更対応保証(仮称)」が検討されており、中小企業支援の心強い姿勢を歓迎しています。しかし、個別企業が金融機関と貸付条件の変更等を交渉するというスキームでは、貸付条件の変更が実現したとしても返済履歴に瑕疵の記録が残るとともに、問題が先延ばしになり、新規の追加融資が受けられない可能性もあると考えるがどうか。

金融機関がどう評価するかは金融機関の問題であり、協会が回答できる問題ではありません。


(3)(2)についての保証協会としての対応はどうなるのか。

東京信用保証協会では条件変更を行ったからといって、その事実だけで保証をしないということはしていません。あくまでも実態的な財務内容や収益力、資金繰り、経営改善計画の内容など、その企業の実情や返済状況を見て総合的に判断して保証をしています。

同友会側からの質問:「保証協会には条件変更している案件には120ヶ月で返済可能なら、新たな保証を行うというルールがあるらしいがどうか」
回答:一律的な運用はしておらず、返済期間が120ヶ月ならよくて、130ヶ月ならだめというわけではありません。一方で、条件変更して毎月1万円しか返せない、返済期間は100年になるというような場合もあり、こうしたところに新たな保証を行うのは困難です。条件変更で返済が超長期になる方に保証をどんどんできるわけではありませんが、返済予定が7年・8年でもだめな場合もあり一律には決めておりません。弾力的に行っていますが、あくまでも個々の企業の実態や返済状況によって総合的に判断しています。


(4)保証協会が保証承諾するにあたって、最低限この程度はクリアしておいたほうがいいという指標を 財務や経営計画、クレジットヒストリーなどの点で明らかにしていただきたい。

個別案件ごとに違うので、一律な指標はありません。経営計画がある場合は、添付していただけるなら重要な参考資料とさせていただきます。
同友会側からの質問:「協会で事故歴のある人が代表者として会社を設立。その人はその会社で協会を利用しなかったが、死亡し代表者が変わった。新代表者が協会を利用しようとしたところ、前代表者がそのような状況にあったので保証は難しいと言われたケースがあった。クレジットヒストリーをどこまで訴求するのか」
回答:個別ケースで実情が違うので、一律に回答ができません。例えば、現時点で株主が誰なのか、事故を起こした当時と役員等人的関係はどうなっているのかなど人・モノ・金の状況をよく見ないとわかりません。


(5)金融検査マニュアルと保証承諾の基準に整合性を持たせ、中小企業の実情に見合うものにしていただきたい。事故や返済条件の変更があったとしても返済終了をもって、今後の保証の障害とならないようにされたい。

ほとんどの場合返済を終了しているならば、今後の保証に障害はありません。しかし他の方から借りて一括返済をしたなど、実態として事故事由が解消されていないケースなど保証を行えない場合もあります。事故や条件変更の時期やその原因、その原因が解消しているかどうかに留意して判断しています。

5.その他

(1)信用保険制度の所轄が日本政策金融公庫に移行して何か変化はないか

現時点で問題は出ていません。


(2)事業承継を支援するため「アシストプラザ」を要望します。

事業承継のニーズを持つ企業の多くは、既に協会を利用いただいている先だと思います。従って、個々の中小企業者の実情を十分把握している各支店でをきめ細かくフォローさせていただくことがふさわしいと考えます。


(3)東京信用保証協会の理事会の構成メンバーに中小企業経営者の団体の代表(借り手の側の代表)を入れていただきたい。毎年要望していますが、昨年、「現場本位の弾力的運用と中小企業に参加意識を持たせるためにも検討されることを望む」としましたが検討結果はいかがでしょうか。

当協会としては、本日の懇談会のような形式で利用者である方々から直接ご意見等をうかがって、今後も事業運営の参考とさせていただきたいと考えています。

 


2009年12月16日
東京中小企業家同友会

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