会員企業実態調査結果の概要


会員企業実態調査結果の概要

1.概 況

 本調査は、東京都への政策要望を目的として、東京中小企業家同友会の会員企業を対象に2010年5月~6月に実施された実態調査である。なお会員の約10%に相当する264社からの回答が得られた。
 売上は、昨年同期比(2009年1‐3月)から「増加」(33.0%)「減少」(43.6%)「横ばい」(22.0%)であり次期(2010年4‐6月)見通しは「増加」(28.8%)「減少」(33.3%)「横ばい」(36.4%)であった。
 売上は昨年同期比で「減少」が最も多く、次期見通しも「悪化」と「横ばい」で6割強と依然として厳しい状況となっている。 一方で採算(経常利益)をみると、昨年同期比で「好転」(31.1%)「悪化」(38.3%)「横ばい」(28.4%)で次期見通しは「好転」(24.6%)「悪化」(31.1%)、「横ばい」(42.0%)となっている。
 昨年同期比ではやはり「悪化」が最も多いが「好転」と回答した企業も3割近くと多くなっている。しかし次期見通しでは「横ばい」が4割弱で最多となっており、回復の兆しは見えつつも予断を許さない踊り場的局面にあるといえる。

 なお、次期見通しを「好転」と回答した企業の理由としては、「売上数量・客数の増加」(27.1%)が最も多く、それに「人件費の低下」(6.8%)「外注費の減少」(5.2%)と続き、「悪化」の理由は「売上数量・客数の減少」(29.6%)「売上単価・客単価の低下」(18.1%)「人件費の増加」(6.3%)と回答されている。以上のことより、回答企業の業況を左右する要素は、売上や客の数量・単価であり、それに人件費の変動が続くという傾向が見られる。
 産業別に採算(経常利益)をみると、昨年同期比で「好転」-「悪化」で「ソフトウェア業」(-13)および「建設関連業」(-7)で特に「悪化」の企業が多い。一方で「製造業」や「専門サービス業」では「好転」企業が「悪化」企業を上回っている。また「悪化」企業数割合で見ると「サービス業」、「印刷出版関連業」及び「建設関連業」で4割と多い。また次期見通しについても同様の傾向が見られる。
 大企業の製造業を中心に「新興国需要」に牽引され、中小の製造業も景気回復傾向にあると考えられる。しかし、専門サービス業を除きその他の業種ではいまだ業況回復の展望は見えていない。様々な景気刺激策を行なってきたが、景気の自律的回復の道はまだ開けていない。内需を最大の市場としている中小企業にとって、その本格的な活性化が望まれている。


2.取引関係、人材について

 過去1年間に取引のある大企業との間で不公平な取引についてみると、「なかった」が64.8%と多数で、「あった」と回答したのは13.3%となっている。不公平取引の内容(複数回答)は、「一方的なコストダウン」が40.4%と最多で「納品後の価格改定」「非採算の仕事の発注」が各6社となっている。
 現在の人材の状況については、「ちょうど良い」(35.6%)「業務の繁閑で過不足がある」(27.7%)「過剰気味である」(19.3%)「人手が足りない」(17.0%)と回答が割れている。今後人材の確保・調整のために考えている事は、「考えている」(52.3%)「考えていない」(44.3%)と半々となっている。「考えている」と回答した企業の内容は「新規採用」(61.7%)「外部人材の活用」(9.6%)で多い。
 雇用調整助成金の利用は、「利用しなかった」が65.9%と非常に多く「利用した」で26.9%に留まっている。「利用しなかった」理由は、「雇用調整しなかった」(14.4%)「必要ない」(32.6%)との回答がある一方で、「手続が面倒・わからない」(7.6%)「適合せず」(12.1%)「知らなかった」(16.7%)「その他」(16.7%)となっている。雇用調整助成金のニーズはあるが制度が十分に答えられていないという現状が考えられる。


3.金融環境について

 金融危機を経て何らかの金融機関の対応の変化があったのではという予想に反して1年前と比べ取引先金融機関の対応変化は「なかった」が57.2%と半数を超え、「あった(良い意味)」(19.3%)「あった(悪い意味)」(11.7%)と変化があったと答えた企業は3割弱であった。なお「あった(良い意味)」及び「あった(悪い意味)」の具体例を見ると、経営状況がよいところに融資が集中し、厳しいところには貸し渋る傾向が見られる。
 「緊急保証制度」の利用は「利用する気はない」(45.8%)「利用した」(36.7%)「利用を検討中」(8.0%)「保証を断られた」(4.9%)となっている。同制度は4割近い企業で利用され「百年に一度」といわれた不況に大きな役割を果たした。一方で「条件の緩和」や「柔軟な対応」を求める声があり、改善が望まれる。また「中小企業金融円滑化法」を利用し返済条件の変更を行なった企業が7.6%あったが、回答企業の状況を鑑みると、この制度が資金繰りの困難な企業に大変役立っている状況が伺える。


4.産業振興について

 産業振興で利用した制度は、「経営相談」(7.2%)「その他」(6.9%)「販路開拓支援」(4.3%)で「未回答」が76.2%あり利用が進んでいない。多様な産業振興施策がありながらも、企業で十分利用されているとは言えない。広報活動を強めることは勿論だが、経営資源が限られた中小企業にとって、企業の現場と政策を結びつける具体的な取り組みが必要なようだ。


5.その他

国や自治体発注の公共事業の入札について「入札に参加していない」(74.2%)「受注した」(16.3%)と入札制度を利用している企業は少ない。入札制度への意見(記述)をみると、「入札に至るまでの営業(企業)努力が全く尊重されない」「入札による受注には期待していない」「無制限のコストダウンになる」「談合・行政との癒着の指摘」「入札の時期等、業界の案内がほしい」という声があった。
 入札制度を健全で透明性のある制度にし、中小企業が参入しやすい制度にする必要がある。その点では、「平成22年度中小企業者に関する国等の契約の方針について」(6月18日閣議決定)や野田市の公契約条例など、公共入札にかかわるダンピング規制の方向が生まれ始めていることは重要である。
 東京都への政策要望では、51社から回答があった。その内訳は「取引の公正化」(21.6%)「中小企業対策」(19.6%)「助成金・融資」(17.6%)「環境対策」と「税制改正の必要性」および「雇用・社会保障政策等の充実」でともに(3.9%)で「その他」(29.4%)であった。



東京中小企業家同友会

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