「東日本大震災」にあたっての東京中小企業家同友会の緊急要望

2011年3月28日


東京中小企業家同友会
代表理事  藤田 明男
政策部長  板橋 和彦

「東日本大震災」にあたっての東京中小企業家同友会の緊急要望


 このたびの「東日本大震災」での影響は、都内中小企業の経営にも大きな影響を及ぼしています。会としては重大な被害を受けた被災地への支援に取り組むとともに、震災発生以降の聞き取り調査及び3月22日から実施した会員経営者への緊急アンケート調査を行いました。この調査で都内中小企業の深刻な実情が明らかになってまいりました。そこで、こうした調査にもとづく緊急の要望を下記の通りまとめました。ぜひ、関係各位におかれましては、その実現方にむけて迅速な対応をはかられますようお願いいたします。
 また、都内の電力、交通、通信などのインフラの脆弱性が明らかとなり、今後の都内の人口構成や産業動向を考えた時、今回の震災から多くの教訓を学び、新たな都市づくり、産業づくりの在り方を模索する必要があると考えられます。今後、多くの識者や、中小企業経営者、市民を巻き込み議論をおこなうことを望みます。


1.電力供給の安定化に向けての要望

  1. 当面の計画停電は非常時の対策として協力いたしますが、計画停電の「計画」が直前の発表になり、事業者としては資材、人員等の計画がつきません。産業活動への影響を可能な限り少なくなるよう工夫していただきたく、次の点について要望します。
     a)  少なくとも1週間単位で、先の計画を明らかにすること 
     b)  短時間化すること 
     c)  定時に行うこと
  2. 中期的には、営業計画、社員の就業計画が立てられるよう電力供給の復旧計画と、いつまで計画停電になるかを早急に明示して下さい。
  3. 長期的には、今回の震災を教訓とし、東京の電力供給を都内・近県にも設置する分散型システムを考慮していただき、環境問題とも関連しコジェネレ-ションシステムや自然エネルギーの大幅利用などを検討して下さい。そのためにも東京都として有識者を含め検討会議を設けるよう要望します。

2.直接、間接に被害を受けた企業への支援措置について

  1. 直接・間接を問わず、製品などの取引中止、納入のキャンセル、延期、売上の急激なダウン、売掛金回収の悪化などに見舞われた中小企業への「震災特別融資」などのセーフティネットの別枠・低利の融資制度を整備して下さい。また、相談窓口を各自治体に設け、丁寧な相談にのれるよう必要な体制を組んで下さい。
  2. 年度末を控え、各金融機関に対して3月12日に遡及して、手形の決済を最低3カ月猶予していただくよう指導をして下さい。
  3. 金融円滑化法により返済条件が緩和されている企業にも、直接・間接に罹災された企業については追加融資や条件の再緩和などの対応をお願いします。(例えば1年間の元金据え置きなど)
  4. 情報産業、システム関係で外国人技術者が帰国したために、新年度を迎え、システム上のトラブルや納期遅延が大きく生じる恐れがあり、必要な実態の把握と対策を求めます。
  5. 物流の早急な安定化に向けた対策の強化を進めて下さい。物流事業者へは特別な燃料の配分を行って下さい。
  6. 今後の復興需要も含め建設資材の確保と物流には国としては特別の配慮を払って下さい。買い占め、価格のつり上げなどについて適切に対処して下さい。
  7. 医療関係など生命にかかわる分野への電力確保、燃料確保に特別な配慮をして下さい。
  8. 震災の影響で新たな投資を行ったものについては、全額費用計上できるよう税制面での優遇策の実施を進めてください。
  9. 震災に関わった大手企業の下請けに対する発注の中止や延期などについて公正取引委員会の監視を強めて下さい。
  10. 震災の影響で、当面の仕事の確保ができない場合、雇用調整助成金の利用を第3次産業も含め柔軟に行えるように対処して下さい。
  11. 震災により仕事が不安定になったり、通勤に支障が出るなど雇用にかかわる問題が出ています。厚生労働省の通達が出ていますが極めて解りづらく、具体的マニュアルを整備し、相談窓口を設け、雇用の安定化に向けた特別対策を進めて下さい。
  12. 直接、間接に震災の影響を受けた中小企業の雇用維持のために、社会保険料の一時減免(たとえば3年間程度)などの対策を講じて下さい。

3.今回の震災を教訓とし「安心安全の都市づくり」へ、震災対策の見直しと強化、迅速化についての要望

  1. 大震災を受け都民の生命をどのように守るかを最優先することが重要です。今回の震災の影響も含め、住宅・ビルの耐震診断を進め、耐震化を至急進めて下さい。学校、病院、避難施設などの耐震基準を見直し、耐震補強を地域建設産業の仕事として確保して下さい。これは景気対策になるとともに、地域の防災対策を強化するうえで必要不可欠であると考えます。
  2. 地域の道路や高速道路の耐震対策、地盤の液状化対策、地下鉄・地下道の浸水対策などインフラの点検・見直しと保守を中小建築関連の仕事として行うようにして下さい。
  3. 医療施設を増やし、緊急時の対応にも耐えられるようにして下さい。
  4. 震災時に必要な食糧や飲料水について備蓄の増量が必要です。地域の中小企業者・住民とも相談し、地域ごとのこまめな対策とその運用体制を明確化して下さい。
  5. 「帰宅難民」が問題になりましたが、災害の場合の帰宅支援掲示が解りにくく、情報がつかみにくい等の問題がありました。携帯電話等の通信インフラが役に立たなくなる事態を想定して対処して下さい。
  6. 通信インフラの緊急時バックアップシステムを構築して下さい。

4.被災地支援についての要望

  1. 企業の震災救援のボランティア派遣に対する窓口の一本化と支援措置を講じて下さい。
  2. 支援物資の受け付け、輸送ルートの確保など、自治体の人員派遣も含め進めて下さい。当会としては復興支援のための協力要請には最大限応えていきます。
  3. 避難住宅について、都内のUR及び都営住宅の空き室はもちろん、民間の賃貸住宅への入居をすすめの家賃補助(家賃7万円、電化製品30万円程度)を進めてください。仮設住宅の3分の2の費用でまかなえ、また、即入居が可能な点も考慮して下さい。

5.原発事故の正確な情報を機敏に発表し、国民の不安感を解消すること

東京都の今回の飲料水の対応は迅速で評価できるものでした。正確な情報を出すことが、重要であり、諸外国からの信頼にもこたえることになります。国民の生命の安全と健康を第一義的に考え対応を徹底して下さい。 そのためにも、広く知識人、専門家を結集し、判断できる機関を創設し、正確な広報に努め、今後の対策を進めるよう要望します。

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