東京信用保証協会と東京中小企業家同友会の懇談会報告書


東京信用保証協会と東京中小企業家同友会の懇談会 報告書 (東京信用保証協会確認済)

2012年2月7日、東京中小企業家同友会は東京信用保証協会と第11回目の懇談会を行いました。主なテーマとなった下記の点についてご報告致します。

出席者

保証協会 佐藤 政一 東京信用保証協会保証統括部長
川田 智明 東京信用保証協会保証統括部副部長 
有竹 博史 東京信用保証協会保証統括部保証統括課長
生井 孝育 東京信用保証協会保証統括部保証統括課上席課長代理
大田 一行 東京信用保証協会保証統括部保証統括課課長代理
根本 厚 東京信用保証協会企画部副部長
池上 智 東京信用保証協会企画部副部長
同友会 板橋 和彦 政策部長
水戸部 良三 副代表理事
政策部員:佐々木正勝、竹添幸男 三宅一男、
事務局:荻原邦弘

 

1.昨年は震災での落ちこみから復興需要などもあり、震災前にはいたらぬものの回復基調にありました、しかし長引く円高などで今後の景気は極めて不安材料が山積しています。業況の状況は業界や地域ごとにも多様です。そこで緊急保証と同等の全部保証の制度を柔軟に対応できるよう要望します。そのための方策として、保証期間を15年に延ばし、保証金額の増額をはかっていただきたい。

一部の制度の除き保証期間は原則最長10年となっています。また、昨年5月に創設された東日本大震災復興緊急保証も保証期間は10年です。当初から10年を超えて保証することはとは難しいですが、同等の効果は口数集約と返済負担の軽減を目的とした借換保証や、業況の変化から資金繰りが厳しくなった場合等には、返済方法変更の条件変更により返済負担の軽減を行うことができます。

15年という長い期間になると借り手の側のハードルも高くなる可能性もありますし、現状でも顧客ニーズにかなり対応できていると考えておりますが、貴重なご意見として戴いておきます。

同友会から:直接金融と言う気風は日本にあまり定着していないので、間接金融を頼らざる得ない状況であり、長期にわたって金融機関が融資をした企業に返済のための支援を行うようにする気風が生まれればいいと思っています。15年というのは金額も増やすことができることもありますが、日本の金融風土の中で金融機関と中小企業がともに良好な関係を作っていく一歩になればと、あえて15年と提起したのであり、中小企業庁や都にも働き掛けていこうとの話がありました

2.保証限度額を売上の何カ月分というような内規はありますか。無担保の保証最高額8千万円をやめ、企業や事業の内容により弾力的に貸出枠を設定し、年商の1/3程度まで増やすことができないでしょうか。

こうした要望をお持ちのお客様は億単位の月商があるような方と思われますが、変化する経営環境や、各企業の財務状況などもあり、売上の何ヶ月分のように一律な対応をしているわけではありません。一方で、国の信用保険制度では、無担保限度が通常の保証で8000万円、これとは別にセーフティネット保証で8000万円、東日本大震災緊急保証で8000万円の合計2億4000万円まで可能となっています。

年商の1/3と言うような一律の限度は、個々の企業によっては適切でないのではないでしょうか。通常保証の無担保の限度額は8000万円が限度で、それを超える場合は、特定社債(私募債)保証制度もございます。

同友会から:8000万円の限度がずいぶんと続いているので、そろそろ見直していただきたい。私募債は決算の数字がいい時にはできるが、困っている時に借りたいので、制度は逆説的であり、利用は難しいのではないか。また、業種によって運用する資金の規模が違うので、考慮できないか。さらに、多額の融資が必要なら金融機関がプロパーで融資すればいいのだが、いまの金融機関は苦しい時には貸してくれなくなり痛し痒しである。との意見が出ていました。

3.責任共有制度移行後の信用保証制度は有効に機能していますか、その運用の状況についてお聞かせください。また、現状では責任共有制度(部分保証)は有名無実化しているが、今後借り換えで責任共有になる場合どのような影響があるか想定していることをお聞かせください。

責任共有制度はH19 年10月に導入されて以降、H20年9月の緊急保証、23年5月には東日本大震災復興緊急保証の取扱が開始され、今現在に至るまで全保証承諾のうち責任共 有制度の対象外保証の割合が70%前後を占める状況となっています。このような経済環境の状況下であり、この間の実績で、責任共有制度の中小企業金融への 影響等について検証を行うには、データ的にも十分ではなく、コメントできる状況にないのが実情です。

当協会の借換保証あるいは返済方法の変更に関する条件変更に対するスタンスはこれまで通りの運用を考えています。

同友会から:今後、100%保証である緊急保証制度などがおわり、これを借換え(責任共有で)をする場合は責任共有制度となることはあるのか?

責任共有制度になります。当協会としましては、これからも責任共有制度の趣旨の理解促進に努めてまいります。

4.CRDを利用した「リスクによる保証料率」はリスクヘッジに有効に機能していますか

お客様の財務状況に応じて保証料率は9段階になっていますが、デフォルトした企業と保証料率区分を比較してみると、ある程度の相関関係が高いものとなっています。しかし、保証料率はリスクに見合ったものではありません。リスクとの関係では政策的にかなり低めに設定されています。

5.保証承諾の可否をする際、協会への保証申請日(金融機関が申し込みに来た日)と回答した日を、保証をおこなう中小企業に明示していただきたい。

「金融機関が申し込んだ日」と「保証が承諾され融資が実行された日」と言うことですが、新規の保証と既存の顧客との間で、保証の審査日程にかなり違いがあります。新規の保証と既存顧客との間では、保証審査プロセスが異なることから協会に申し込まれてから審査の諾否に要する日程にかなりの違いがあります。新規の場合は事業内容の把握や信用保証制度の説明等を主目的原則として訪問させていただいております。既存利用をいただいている先でも、資金使途や業況などから保証審査に時間がかかるケースなどもあります。当協会では、平均的な所要日数はおおむね7~10日でとなっておりますが、日数がかかりすぎていると思われる場合には、協会の担当部署にお問い合わせいただくことで、ご本人にはお知らせできます。

6.「経営者本人の保証」について、企業の実態(「資本」と「経営」の分離がどの程度進んだか)に見合って経営者保証を外す条件を明示していただきたい。

現状では私募債以外に代表者の個人保証を不要とする制度はありませんが、当協会では第三者連帯保証は原則として徴求しておらず、代表者のみの連帯保証で取り扱うケースが大半を占めていますことを御理解ください

同友会から:経営者の連帯保証が当たり前という世の中の風潮に対して異議を唱えているのであり、今後も要望することになりますが、経営形態によっては「資本と経営の分離」が進んでいることを社会的にご理解いただきたいと考えております。

7.東京同友会で、信用補完制度について学習会・研究会を行いたいが、統括部長に講師をお願いできないでしょうか。

保証制度の利用に関する説明や相談であれば、お申し出を踏まえ検討させていただきます。なお、説明者の人選は協会にお任せください。

8.「前代表者がやめることになった。事業承継したが(親族ではない)、保証協会では新たな借り入れに対して前代表者からも保証が要求された。現代表者の保証だけではなぜいけないのか」との問い合わせが当会のアンケートにありましたが、前代表者の保証は必要ないと考えますが、いかがでしょうか。

※今回は時間の都合で懇談テーマにはできませんでしたので、後日この質問には以下の通り説明させていただきました。

当協会では第三者保証人は原則として徴求しておらず、代表者のみの連帯保証で取り扱うケースが大半を占めております。ただし、実質的な経営権を有している方等は代表権の有無にかかわらず連帯保証に加わっていただいております。

当協会が連帯保証人を求めるケースは協会ホームページにも掲載しており、このアンケートのケースもいずれかに該当するものと考えられます。

9.保証協会の経営指導機能・相談機能をもっと高めていただきたい。現在保証している企業や今後保証するにあたって中小企業にどう経営努力したほうがいいか、支援する機能を高めていただきたい。それは、確実な融資の返済につながり、最終的には豊かな日本経済をつくることになると考えます。

窓口での相談は、ここまででいいという意識では取り組んでいません。今後とも相談の質的向上を目指して取り組んでまいりたいと考えております。今年度より当強化を利用している法人のお客様でご希望される方には「COMMON-MSS」という各企業の決算情報に基づいた経営診断結果をお知らせするサービスを行っております。CRD協会が保有する企業データベースを活用し直近3期分決算の損益分岐点分析やキャシュフロー計算書などを表示し、財務を12の経営指標から個別評価して業界内での位置づけを5段階で評価するものです。各支店でご利用できます。

10.大震災も今後30年以内に確実にあるといわれていますが、貴協会で東日本大震災での二重ローンの問題などまだ十分に機能しているとは思えません。東京でこうしたことを想定して、中小企業金融の重要な部分を担う保証協会として検討していることがあればお教えいただきたい。

大規模災害の場合、国を中心に、地方自治体、各行政機関、公庫や協会をはじめ官民金融機関が一体となってあたらなければならないでしょう。当協会として現在具体的に検討している施策はございませんが、東日本大震災復興緊急保証制度やセーフティネット保証を中心に、当協会の役割であります中小企業の資金繰り支援に取り組んでいく考えです。

 

予定の時間をオーバーしたため、質問8については十分議論はできませんでしたが、協会の回答を文書でいただくことにしています。

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