経営者Q&A
資本金によって異なる税率(2004年11月)
【Q】会社に利益がでた場合に、資本金によって税率が異なると聞きました。
(1)税率は資本金が1億円以下の会社と、1億円を超える会社とでは次のようになっています。
1億円以下 | 1億円超 | |
---|---|---|
所得額800万円以下 | 22% | 30% |
所得額800万円超 | 30% |
(2)会社の利益と所得とは、異なることが多いのが現状です。
利益=収益-費用。
会社の利益+加算項目-減算項目=会社の所得です。
申告調整 | 会社の利益 | 例 |
---|---|---|
加算項目 | 会計の計算では費用にしたが、税務上費用にならない | 支払った法人税 |
限度額超交際費 | ||
減算項目 | 会社の計算では収益にしたが、税務上収益にならない | 還付法人税 |
受取配当金 | ||
会社の所得 |
【Q】交際費についても、資本金によって所得に加算する額が異なるそうですが...。
(1)資本金が1億円以下の会社については、支出した交際費のうち所得に加算される金額は
ア、交際費の額が400万円までは、その支出の10%相当額。
イ、400万円を超えた場合には、360万円を控除した残額のすべて。
(2)資本金が1億円を超える会社については、支出した交際費の全額が費用として認められません。
【Q】資本金が1億円を超える会社と、1億円以下の会社とは支払う税額がだいぶ違いますね。
具体的な例をあげて比較してみましょう。
(1)会社の利益(税引前利益)が1,000万円。支出した交際費額500万円として、これ以外に調整項目はないとしましょう。
1億円以下 | 1億円超 | |
---|---|---|
会社の収益 | 1,000 | 1,000 |
加算交際費 | 140 | 500 |
会社の所得 | 1,140 | 1,500 |
年800万円以下 | 176 | 450 |
年800万円超 | 102 | |
税額 | 278 | 450 |
(2)都に支払う法人事業税や法人都民税も税率や均等割額が1億円を超える会社と1億円以下の会社とでは異なり(計算式は省略)、1億円を超える会社は40万円ほど多く支払うことになります。
(3)さらに、資本金が1億円を超える会社は平成16年4月1日開始事業年度から、法人事業税に外形標準課税が適用され、会社の所得がなかったとしても、事業税を支払うことになります。1億円以下の会社は、この適用がありません。
この他に法人税法で資本金によって取り扱いが異なる項目として1億円以下の会社に適用される法人税上の特例には、次のものがあります。
(1)中業企業者等が機械等を取得した場合の特別償却。新品で160万円以上の機械等を取得した場合に、取得価額の30%を費用にできる。
(2)30万円未満の少額減価償却資産を購入した場合には、全額費用でできます。
鎌田史郎(足立支部)
(株)会計情報アカデミー
TEL.03-3864-6645
おすすめ勉強会
- 渋谷支部
- 4月1日(木)
- 第18期 新・販売塾 オンライ...
- 東京中小企業家同友会渋谷支...
- 会場:東京中小企業家同友会・会...
- 報告者:販売力強化の第一人者・坂 陽風氏及びコンサルタント連合『青藍会』の強力講師陣