経営者Q&A

業務委託契約書の印紙税(2022年5月)

【Q】業務委託契約書を締結することが多く、印紙はとりあえず200 円を貼っていますが、大丈夫でしょうか?

 

【A】 1.業務委託契約は、業種によってはとても頻繁に取り交わされる契約の一つといえます。
 業務委託契約書に常に印紙税が課されるわけではありません。請負型の業務委託契約書には印紙税が課されますが、委任型には印紙税が課されません。
 請負型は、仕事の完成という結果が目的となっており、たとえば、設計委託、プログラム作成委託、システム開発委託の契約などです。委任型は、業務の遂行という行為が目的となっており、たとえば、技術指導・コンサルティング契約などです。
2. 請負型のケースで、単発取引のときは「2号文書」として請負金額に応じた印紙税が課されます(契約金額の記載がないと200 円。契約金額1万円未満は非課税、同1 万円~ 100万円以下は200 円、100 万円超200万円以下400円。これ以上の金額については国税庁HP 参照。)。継続的な取引に共通する取引条件を定めた基本契約書は少し複雑です。契約期間中の請負金額を特定できる記載があるときは「2号文書」として請負金額に応じた印紙税が課されますが、契約期間中の請負金額を特定できないときは、原則として「7号文書」として4000 円の印紙税が課されることになります。契約書に、契約期間の終期が記載されていないときや、単価だけ定めて数量を定めていないときなどは、契約期間中の請負金額が特定できませんので7 号文書となります。
3. ご質問のケースも、委任型で非課税なのか、請負型で2 号文書なのか7 号文書なのかを判断する必要があります。
4. 印紙税は、契約書だけでなく、注文書に対して作成する注文請書も対象になります。印紙税の節約の観点からは、注文請書を(手渡しや郵送などの紙ベースではなく)FAX やメールで取り交わせば、印紙税が課されません。最近は電子契約なども注目されています。
5. 印紙税の納付方法はいくつかありますが、通常は書面に収入印紙を貼り、消印する方法で納税します。
 納付しないと、2倍分のペナルティが加算され、不納付税額の3倍額の過怠税を徴収されることになります。消印しなかったときはその印紙分とは別にその印紙額と同額の過怠税を徴収されることとなります。ただし、自主的に印紙税を納付していないことを申告した等の場合、過怠税は不納付税額の1.1 倍額に軽減されます。
 最近の報道では、ファミリーマートが約1億3千万円の印紙税漏れを指摘され、過怠税として約1億5千万円が追徴されたようです。印紙税の対象となる書面の数が多い企業では、大きなリスクとなりますので注意が必要です。

 

 

田辺 敏晃(千代田支部)
田辺法律事務所
弁護士
TEL:048-485-9531
HP: https://tnblaw.jp
e-mail: info@tnblaw.jp


 

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