経営者Q&A

債務者の財産の探し方~令和2年民事執行法改正を武器に債権回収へ!(2022年8月)

1 債権者が取得できる情報

 財産開示手続・第三者からの情報取得手続を利用することで、強制執行を控える債権者にとって大きな武器となる改正がなされました。
 強制執行にあたっては、「債務名義」という債権を公的に証明した文書が必要となります。典型例は、判決文です。
 この債務名義を有する債権者は、次の4つの情報を取得することが可能となりました。但し、勤務先情報は、請求できる債権者が限られていますので、実際は①から③の3種類が中心になります。

①債務者の有する預貯金口座の情報(支店名、口座番号、金額)
②債務者名義の上場株式・国債等の銘柄や数等
③債務者名義の不動産(土地・建物)の所在地や家屋番号
④債務者に対する給与の支給者(債務者の勤務先)
 但し、④は養育費・婚姻費・人の生命又は身体の侵害による損害賠償請求権に限ります

2 預貯金情報と株式情報(表の①と②)

 

 まず、預貯金情報と株式情報については、財産開示手続を経由することなく、いきなり第三者からの情報取得手続の申立てを行い、調べることができます。
 債務者への通知が事後的になされますが、先に債権者は情報を入手できますので、取得した情報を基にして債務者に対して強制執行を行うことができます。
 預貯金などは、不動産と比べて流動性が高く、先に財産開示手続を先行させるとその間に債務者に財産隠しをされる恐れがあるため、財産開示手続を経ることなく「第三者からの情報取得手続」の申立てができるとされました。

 

3 不動産情報と勤務先情報(表の③と④)

 

QA_202208_1.png次に、財産開示手続を経れば、債務者が所有する不動産情報についても、第三者からの情報取得手続の申立てを行うことできるようになりました。
 また、請求債権が養育費等や身体侵害の損害賠償請求権である場合には、不動産情報だけでなく、勤務先情報についても取得手続を申立てることができます。


4 まとめ

 

 以上のような制度設計となります。
 今回の改正は、債権者にとって大きな武器を授けるものとなりますので、未回収に終わっていた債権を掘り起こすことも検討できると思います。


 

 

 

岩崎孝太郎(千代田支部)
首都東京法律事務所
弁護士
TEL:03-3518-9566
FAX:03-3518-9577
e-mail: iwasaki@tmlf.jp

 

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