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「雨のみちをデザインする」 モノからコトを売る発想から生まれた 事業展開 株式会社タニタハウジングウェア 谷田 泰 氏 (板橋支部)

voice_202101.jpg株式会社タニタハウジングウェア (板橋支部)
代表取締役
谷田 泰 氏

創 業:1947 年
資本金:7200 万円
事業内容:建築用金属外装材(雨とい・屋根材・外壁材)及び雨水利用商品の製造販売
社員数:133 名
住 所:(本社)東京都板橋区東坂下2-8-1
    東京営業所、大阪営業所、名古屋営業所、仙台営業所、秋田工場
関連会社:㈱タニタ、㈱吉岡

 

 東京23区で有数の工業地域のある板橋区に本社を構える「雨とい」の製造販売メーカー、㈱タニタハウジングウェアの谷田泰さん。
 会社の入口には、今までに手掛けた「雨とい」と建築との素敵なハーモニーがデザインされた建築写真が展示されている。応接室にはタニタハウジングウェアのコンセプトとなっている「雨のみちをデザインする」の書や自社製オブジェが並んでいる。訪問早々に研究所棟にある「降雨シュミレーター フラセール」で降雨体験をさせていただいた。
 創業者である祖父、谷田五八士(たにだ いわじ)さんは二つの会社を創った。一つはタニタハウジングウエアの前身である銅を溶解して板をつくる伸銅工業所、もう一つはシガレットケースをつくる会社で、その後ハカリからタニタ食堂等で健康を提案する㈱タニタとなる。現在は従兄弟の谷田千里(たにだ せんり)さんが社長をしている。体重計を「ヘルスメーター」と名づけたのは創業者の五八士さんだそうである。
 タニタハウジングウェアの二代目父谷田剛一さん(たにだ こういち)はアメリカの大学で学んだ経営を持ち込んだカリスマ社長で会社は快進撃を続けた。谷田さんは父のようにはやれないと思っていた。ある時、剛一さんから「経営者にならなくてもいい。でもその権利はある。お前より優秀な人がいるのなら、その人を社長に指名すればいい」と言われて気が楽になったそうだ。そしていつかは会社へ戻ろうとその時気持ちを固めた。立教大学を卒業し、住友林業に就職。9年間営業職を経験し修行した。「営業は大変でしたが、一番魅力的なことは幸せな家族に出会えることでした」と振り返る。
 31歳で会社へ戻り、東京青年会議所に入会することで、「ハイ、喜んで」と新しい挑戦もできた。社長になるためにドラッカー直伝の経営学を国永秀男さんから学んだ。
 2003年5月38歳で社長に就任。しかし、会社は売上がどんどん落ち込んで厳しい状態にあった。「覚悟のある人だけ残ってもらいたい」とリストラを決行した。「経営者として自分は何をやっているんだ。こういうことはもう二度とやりたくない」と強く思った。
 ドラッカーの五つの質問がある。特に最初の三つが一番大事だと谷田さんは考えた。
「我々の使命は何か?」「我々の顧客は誰か?」「その顧客は何を価値あるものと考えるか?」。自分にあてはめると、お客様は「雨とい」を買っているわけではなく、「雨とい」から得られる価値を買っているのだと気づいた。
 その気づきから生まれたのが「雨のみちをデザインする」である。「雨とい」とは違った価値が提供できるのではないか。「道」をあえて「みち」とひらがなにしたのは「未知」なる「みち」にもあてはまると考えたからだ。現在は社員と共に様々な新規事業にチャレンジしている。
 同友会の入会は、板橋支部長の太田茂さんの紹介よる。入会して良かったことは、他業種の経営者のいる同友会には、自分と視点の違う人と会える楽しさがあり、学びもあることだと語る。また、「東京同友会の会員なんですね」と全国の工務店経営者からよく言われるという。
「雨とい」だけではなく、独自の色やマット感を出せるガルバリウム素材を外壁に使って評価されている。「美しい建築にタニタあり」と言われるような会社になる事を目標にしている。
 谷田さんは、社内外に向けて『雨くんのひとり旅』という絵本をつくり、雨と人の生活をつなげるきっかけを物語でわかりやすく伝えている。この絵本を読んだ子どもたちには「うっとおしい雨」も時として「いとおしい雨」となるかもしれない。

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