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2026.04.16 お知らせ

東京同友会かわらばん イラン関連特集 VOL4 供給危機の本質と中小企業の打ち手

東京同友会かわらばん イラン関連特集 VOL4 供給危機の本質と中小企業の打ち手

中東情勢の緊迫化と原油価格の高騰を背景に、現場では資材不足の声が相次いでいます。しかし今回の危機は、これまでの不況とは性質が異なります。需要が蒸発しているわけではありません。仕事はある、注文もある。にもかかわらず、「必要なモノが来ない」。この“供給の途絶”こそが、今回の本質です。

経済産業省の直近の資料 では5月に原油は「過半(50%以上)の代替調達達成」を目標と米国からの調達を前年同月比約4倍まで拡大。同時に5月上旬以降、国家備蓄原油を新たに約20日分放出。その後は更に代替調達を進め石油供給を維持できる見通です。化学製品(ナフサ系)は。国内精製約110万kL/月を維持しつつ、中東以外から約45~90万kL/月の輸入を積み増し、約2か月分の在庫を維持しながら供給を継続する計画となっています。以上をまとめると、今回の調達見通しは、「4月=2割増で応急対応 → 5月=過半を代替調達で確保+備蓄20日分放出 → 年内=備蓄を抑えつつ供給維持」

という三段階の構造で設計されています。つまり当座の供給そのものは維持されています。にもかかわらず、軽油や医療資材、塗装用のシンナーなど、特定分野で「入らない」「極端に高い」という現象が起きています。つまり不足ではなく、流通の目詰まりによる分断が起きているのです。

出展:https://www.mlit.go.jp/sogoseisaku/point/content/001995986.pdf

この状況は裏を返せば、供給が回復した瞬間、止まっていた需要が一気に動き出すことを意味します。いまは仕事が先送りされているだけで、消えてはいません。だからこそ、雇用を守り抜いた企業には、その後の反動需要を取り込む大きなチャンスが訪れます。

こうした中で、政府も支援策を打ち出しています。まず「中東・ウクライナ情勢・原油価格上昇等に関する特別相談窓口」が、日本政策金融公庫、信用保証協会、商工会議所など全国の支援機関に設置され、資金繰りや経営相談を受け付けています。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/kokusai_josei/dl/madoguchi.pdf

加えて、セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)は要件が緩和され、直近3ヶ月で売上が5%以上減少していなくても、資金繰りに支障が見込まれる場合は対象となります。融資限度額は最大7億2,000万円、運転資金は10年以内(据置3年以内)、金利は約2.5~3.2%で、条件によっては0.4%引き下げられます。いわば「悪化してからではなく、悪化する前に借りる」ための制度です。

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/kokusai_josei/

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/kokusai_josei/dl/sefu_net_gaiyou.pdf

さらに政府は、発注側企業や官公需に対して、原材料やエネルギー価格の上昇を踏まえた適切な価格転嫁を強く要請しています。価格交渉は遠慮するものではなく、企業存続のための正当な行為であるという環境が整いつつあります。とはいえ、制度があっても使い方を誤れば意味がありません。いま経営者に求められる具体的な行動は明確です。

第一に、金融機関との対話です。現状と見通しを丁寧に共有し、当座貸越枠の拡大や追加融資の可能性、金利条件などを事前に確認しておくことが重要です。いざという時に動けるかどうかは、事前の関係構築にかかっています。

第二に、価格交渉です。原材料価格の高騰は自社努力で吸収できる範囲を超えています。取引先と継続的に交渉し、適正な利益を確保しなければなりません。埼玉県が公開している価格交渉ツールや収支シミュレーターなども活用し、根拠を持った交渉を進めることが重要です。

埼玉県行政と埼玉同友会のつくった価格転嫁資料作成ツールです。

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/library-info/kakakukoushoutool.html#download

収支計画シミュレーター

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/library-info/kakakukoushoutool.html#simulation

原材料の価格相場や価格転嫁のために総合サイト

https://www.pref.saitama.lg.jp/a0801/library-info/kakakukoushoutool.html#download

そして第三に、雇用の維持です。仮に一時的な操業調整や休業が必要になった場合でも、単に社員を休ませるのではなく、雇用調整助成金(教育訓練)を活用し、社員教育や業務改善の時間に充てることが求められます。止まっている時間を、未来への投資に変える発想が必要です。

今回の危機は、「外部環境に振り回されない経営体質」が問われる局面でもあります。供給の分断という現実を直視し、資金・調達・価格・人材のすべてに手を打てるかどうか。それが、この先の企業の明暗を分けることになるでしょう。需要は消えていません。必ず戻ってきます。

東京同友会としても力強く中所企業の現状を発信しながら、必要な対策を重ねてまいります

東京同友会の緊急要望全文は下記リンクより https://www.tokyo.doyu.jp/news/7273/

その時に備え、いま何を守り、何を準備するのか。冷静に状況を見極め、同友会の仲間と支え合いながら、この局面を乗り越えていきましょう。

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