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お知らせ

2024.05.08 お知らせ

第2回「人を生かす経営」大賞発表

第2回 人を生かす経営大賞発表

 

第2回人を生かす経営大賞の表彰式が3月14日総会にて発表されました。各機関より推薦された企業は8社。年末より3か月の選考を経て総会当日大賞ノミネート企業として4社に奨励賞が授与されました。

そして昨年大賞を受賞した三和電気株式会社の宮崎裕二社長から株式会社コマーム(小松秀人社長)に第2回大賞を授与することが発表されました。また株式会社アイ・エス・ビー・ジャパン(望月綾子社長)に審査員特別賞が授与されました。

 

講評

第2回「人を生かす経営大賞」につきまして各機関より8社のご推薦をいただきましたことにまず御礼申し上げます。

さて、年末に第1次選考を行い推薦要件について審査をいたしました。このうち他団体による受賞歴について期間が経過しているものや該当外のものもあり、第2次選考は要件を満たす4社にて行うこととなりました。

第2次選考については2月8日に外部の有識者を交え11名にて選考委員会を開催いたしました。4社共々甲乙つけがたく昨年同様3時間にわたり喧々諤々の議論があったことを報告させていただきます。

議論の経過では、業種や業態、企業規模が全く違う4社について、提出いただいた決算書3期分をローカルベンチマーク(経済産業省)で定量評価するとともに、経営理念の浸透やその実現過程、企業ビジョンと将来性について等を定性評価しております。

また、同友会での学びや活動実績についても加点を行い、事業内容、経営実態、経営理念の浸透状況など、社会性、科学性、人間性の観点から総合評価をしました。

その結果、今回総合評価と共に特に行政と連携し同友会が目指す21世紀型企業「地域と共に歩む中小企業」像を事業として具現化してきたその社会性を高く評価し、株式会社コマームを大賞とすることを決定しました。

同社はその設立過程において、働く親に寄り添い保育・子育てという社会的課題に着目し「あったらいいな」を合言葉にいち早く課題解決に向けた事業を展開。その社会起業家の思いが、現在も引き継がれ放課後児童クラブ・子ども教室、児童館、子育て支援センター、医療・病棟保育など事業領域を更に拡大していること、多様な子どもたちがしあわせに生きるための根っこを育むための環境整備を、事業活動として取り組まれていることが大賞としてふさわしいとの結論に達しました。

もうひとつ、科学性と人間性の観点から同友会での学びを企業に活かし、経営理念を経営者だけでなく経営幹部が語り社員に浸透し、企業推進の原動力として飛躍しているアイ・ビー・エス・ジャパン株式会社に審査員特別賞を授与することになりました。

本年も誠に甲乙つけ難い企業実践に審査員一同縦列をつけることに大変苦慮すると共に学びの多い審査となりました。推薦企業並びに推薦機関に感謝し今一度経緯を称します。第3回も多くの企業実践を挙げていただき同友会の仲間として誇る企業を多く輩出できることを楽しみにしております。

 

2024年3月14日

選考委員会委員長 大脇耕司

◎大賞

株式会社コマーム
子育て分野の社会課題解決に向け、自社の活動から行政を動かし事業化

推薦事由
経営理念、経営ビジョンの通り子育て分野において主に7事業を展開している。子育ての社会課題を発見すると、まずは事業を開始する。地域の支援や評価を受け、行政に働きかけ地域・行政・コマームが一体となり事業継続可能な黒字化へと推進させている。コマームの強みの一つは、保育方針として掲げている【しあわせに生きる「根っこ」をはぐくむ】に共感した地域住民たちが、すすんで本業や各種イベントなどに積極的に協力していただけてる日々の対話、そして企業プランドが地域に根ずいていることにある。それは、社会課題の解決を優先して事業化し、その先で収益につながるまで継続する芯の強さの経営姿勢にあるといえる。あまり気づかれていない社会課題に焦点を当て、事業化していく企業文化は並大抵の努力では築けない。現在、産前から18歳まで、子育て世代にサービス提供ができる体制になっている。この企業文化は、創業者の熱い思いを後継者が引き継ぎ、約750名の増大化する組織を役員・幹部がまとめ上げ、理念・ビジョンを中心に置いた地域・行政・社員が一丸となって取り組めるようにした仕組み化していくことにある。ここまでに至るには、日々仕組化に対する改善施策のPDCAを回し続け持続可能な仕組み作りに組み続け、2023年には「埼玉県経営品質賞」の知事賞を受賞することにつながっている。最後に、経営指針成文化セミナー受講後の後継者の自己変革についても高く評価に値すると添えておく。

◎審査員特別賞

アイ・ビー・エスジャパン株式会社
「みんな違って、みんないい」凸凹自走型組織で日本のくらし産業のIT化を支援

推薦事由
2014年に先代社長からバトンを受けとった望月綾子氏は、会社をつぶさないため、一生懸命がんばったが、そこには理念なく、社員から見たら独りよがりの裸の王様がいた。売上は伸びているものの、何かがおかしい。そんな想いの中、2019年、東京同友会の経営指針成文化セミナーを受け、会社は何を目指すのか、自身は何を目指すのかを深く見つめることで、社員は大事なパートナーと気づき、社員と共に理念に根差した「人が活きる」経営に舵を切った。

綾子氏は継承当初から今もアメリカ在住で、一年のうち1/3をアメリカで過ごす。社員とリアルの時間を過ごすことのできない綾子氏は、ITを駆使し、社員やお客様、仕入先との意思疎通を試行錯誤しながらも、社員が会社を自分事と捉える工夫を施してきた。理念と10年ビジョン策定、等級制度と給与テープルの確立、権限と責任の明確化、MBO評価、コンピテンシー評価、長期目線のキャリア面談、1-1面談、働きやすい環境の整備など、どの人も働き甲斐のもてる仕組みを整えることで、社員が自走する組織になった。2014年継承時からの売上は約2倍に成長している。

コロナ禍においても、2022年度は過去最高売上と利益を達成した。復職や復々職をした社員や、長期にわたり業務委託契約社員が正社員に転換するなど、どの人にとっても働きやすく風通しのよい職場環境の整備に力を入れている。2023年度は、社員のお子さんが5人誕生し、10月現在男性社員1名を含め、3名が育休中。60歳以上の嘱託社員が3名もフル給与で時短勤務も行いながらとイキイキと働いている。交通や電力、医療といった私たちの生活を支える産業分野のIT化を支援する企業として、製品を売るだけでなく、お客様の求めるサービスが提供できる企業に進化を続けている。対外的には、2021年に東京中小企業投資育成からの資本投資を受け、また2022年度には日刊工業新聞社の女性経営者賞を受賞した。サプライヤダイバシティを推進する国際団体WEConnectInternationalの認定も2019年に取得している。

 

    • 大賞
      株式会社コマーム 代表取締役 小松 秀人 (推薦機関:経営労働委員会)
    • 審査員特別賞
      アイ・ビー・エスジャパン株式会社 代表取締役 望月 綾子 (推薦機関:港支部)
    • 奨励賞
      ぜんち共済株式会社 代表取締役 榎本 重秋 (推薦機関:多様な働き方推進委員会)
      株式会社葵製作所 代表取締役 長谷川 薫 (推薦機関:三多摩支部、共同求人委員会)
    • 選考委員名
      代表理事(四委員長) 大脇 耕司
      駒澤大学経済学部教授 長山 宗広
      日本政策金融公庫東京支店長  鈴木 泉
      中小企業家同友会全国協議会会長 広浜 泰久
      代表理事 矢倉 保吏
      代表理事 橋本 久美子
      経営労働委員長 吉本 英治
      共同求人委員長 宇佐見 聡
      共育委員長 清水 誠太
      多様な働き方推進委員長 豊田 安昌
      事務局長 林 隆史

 

 

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