かわらばんvol.8 イラン情勢に伴う重要物資の供給不安と、中小企業が取るべき「次の一手」について(対策まとめ)
会員の皆様
日頃より本会の活動にご理解とご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
現在、イラン情勢の緊迫化に伴い、石油化学製品(塩ビ管、塗料、シンナー等)を中心とした資材不足が現場を直撃しています。一部では「納期未定」や「出荷制限」の通知が相次いでおり、受注はあるものの完工できないことによる「黒字倒産リスク」も懸念される深刻な状況です。
東京同友会では、この不透明な経営環境を乗り切るための現状分析と、中小企業が取るべき具体的な防衛策を「かわらばん特別号(VOL8)」としてまとめました。
以下に、会員企業の皆様に今すぐ取り組んでいただきたい重要ポイントを共有いたします。
1. 現在の状況:供給不足ではなく「流通の目詰まり」
政府の報告によれば、原油やナフサの供給量は代替調達により年越しまで必要量が確保されています。現在の「品不足」の真因は、将来の不安による「過剰発注」が特定の結節点で在庫の偏在を招いている「流通の目詰まり」にあります。
対策: 不要不急の在庫確保を抑制し、「通常量発注」を徹底することで、サプライチェーンの正常化にご協力ください。
2. 「物理的制約」から自社を守る法的防衛策
価格高騰への対応だけでなく、納期遅延や資材欠品から自社を守るための「盾」が必要です。
メールの証拠化: 取引条件の同意をメールで保存する最低限の防衛。
覚書の締結: 口頭合意を書面化し、心理的・法的なハードルを下げる。
スライド条項の活用: 価格変動を自動反映させる条項や、不可抗力要件の具体化。
取適法の活用: 2026年1月施行の「中小受託取引適正化法」を根拠に、一方的な代金据え置きを拒絶し、正当な価格転嫁を要求してください。
3. 資金繰りの先手管理と人材の死守
経営環境が悪化する「前」に動くことが、生き残りの鍵となります。
資金調達: セーフティネット貸付の活用や、金融機関との対話による「当座貸越枠」の早期確保を推奨します。
雇用維持: 現場が止まっている時間を「未来への投資」と捉え、雇用調整助成金を活用して技術者の流出を防いでください。
この危機は「需要の消失」ではありません。冷静な現状認識とルールの活用により、この困難な局面を共に乗り越えていきましょう。
具体的な相談が必要な場合は、経済産業省が開設した「中東情勢関連対策ワンストップポータル」や、同友会のネットワーク、各事務局までお問い合わせください。
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