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経営者Q&A

仕組みをつなげることが大事(2020年8月)

Q

当社は営業系の会社です。10 人程度の営業マンを抱え、日々、奔走しています。営業主体のため、受注や報告、請求書の発行や経費精算など、いろいろな業務が発生していますが、スピードが大事と考え、営業マンにはメールか電話での受注報告をさせ、経理担当一人が集計し、請求業務などをしています。おかげさまで受注件数も増えてはきているものの、最近、業務上のトラブルが多くなってきています。些細なミスから、請求書の未発送、代金未回収、二重払いなども多くなってきています。

A

中小企業や零細企業ではよく聞かれるお話です。特に営業マンも奔走しているものの、単にお客様から口頭での注文を聞き、メールや電話などで事務に連絡し、事務が表計算ソフトで手入力。更にそれを経理に渡して、経理が請求書を作成(しかも、それも表計算ソフトで作成)し郵送等をする、といった業務だとのことでした。最近の表計算ソフトは“何でも”出来る反面、作り方や設計の仕方を正しく行っていないと、多少なりとも業務量が増えると全く手に負えなくなります。ミスや忘れ、漏れなども増えることになり、無駄な仕事が増大していきます。ミスや漏れが増えてくると、勢い、チェックの仕事も増やそうと考えるのが常ですが、それが余計に無駄な仕事を産んでいってしまいます。例えば、どうやって、誰がチェックするかを考えないと、むやみやたらと時間と労力がかさむだけ、になってしまいます。特に、勘違いが多いのが二度見チェック。例えば、別の人に作成した請求書をレビューしてもらうこと。もしかしたら、承認印をもらって等。でも、これでも、あまりミスは減りません。根本的なミスが取り除かれることはありません。別の観点でチェックすることが肝要です。

また、一番前面で奔走している営業マンたちの仕事も煩雑です。流行りのワークフローシステムなどを導入するのも一考ですが、営業マンの業務を整理して、出来る限りシンプルにした上で、“営業”に専念してもらう、ということが大事です。そして、ただ「売りっぱなし」の状況にならないよう、責任も持たせる必要があります。そのために正しいデータ(売上や代金回収)を与え、彼らの意識教育をすることで、単なる口約束で言った言わない等のトラブルを避け、「売りっぱなし」でない、責任ある営業が可能になると考えます。それが“発生点”で管理するポイントだと思います。

さらに営業マンの業務と仕組みを整えても、その後方の経理や事務が不効率だと結局はそこがボトルネックとなって、何も変わらない状況になります。営業のデータが正しく、スムーズに後方の経理や会計に“繋がる”ことが肝要です。営業の情報(売上などの情報)が経理で入力する際には「××月度売上高」と単に1行で入力されてしまうと、より詳細に分析したい場合には改めて、時間と労力を費やす、といったことも生じてしまいます。きちんと“繋がる”仕組みを構築することが重要です。

前田 和宏(中央区支部)

株式会社 銀座みらい会計
税理士

TEL.03-5799-6056
HP: http://biz-straight.com
E-mail : maeda@biz-straight.com

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