タイトルアイコン

経営者Q&A

会社を社員に無借金で譲りたい(2017年6月)

Q

子供がいないので会社を社員に譲りたいのですが、多額の借金付きで譲るわけにはいきません。優秀な社員達がいて、客先企業も安定した所ばかりなので、何かいい方法はないの でしょうか。この借金というのは昔会社で不動産投資の為、銀行から借入れたもので、現在の会社事業には関係ないのです

A

何時ごろまでに引継ぎたいのですか。

Q

1〜2年後くらいに出来れば、私も気が軽くなるのですが。

A

2年先でよければ、社員に新会社を設立してもらって仕事だけ引継がせ、今の会社は破産する、という方法が考えられます。

Q

破産ですか!? お客先に迷惑をかけることになりませんか? また、今使っている機械は特殊なものでこの機械でなければ仕事はできないの ですが、売却処分されることになりませんか?

A

大丈夫です。2年あればそのような心配はすべてクリアできます。新規の仕事を受けて納めるのに、どれ位かかりますか? また、客先の会社数はどれ位ですか。

Q

だいたい3ヵ月位ですね。客先は大小入れて約100社ですね。

A

それなら、できるだけ近いうちに新会社を設立してもらい、落着き次第お客先に「会社の営業方針(若返り)の為、新たな仕事は新会社で受けることになった。しかし仕事の内容は今まで と全く同じで行ないます。」という説明の為の挨拶回りを行なうことです。当方の都合の為に行なうことですから、文書などでなく、きちんと訪問の上説明して新会社に引継ぐことが大切です。2 年あれば、新規の仕事を受注の都度訪問しても、全部回れるのではないでしょうか。
そうして、今の会社で受けている仕事がなくなったら、破産手続の申立てをすればよいのです。

Q

会社の事務所、工場は賃借物件なのですが、これはどうなりますか?

A

賃貸借契約では敷金や保証金が入っているでしょうから、これは管財人に任せるほうが無難です。したがって、それまで賃料は払い続けることになります。その費用捻出の為にも 機械はそのまま置いておいて、仕事がだんだん減って使わなくなった機械から賃貸にすればいいのです。
適正価格であれば新会社に売却してもいいのですが、このような機械の適正価格を出すというのは、おそらく困難だと思います。したがって、管財人がついてから換価処分として売却してもらうほうがスムーズだろうと思います。

Q

なんだかずい分うまい方法のようですが、気を付けなければならないことはありますか?

A

今の会社と新会社とで役員が重ならないようにすることが大事です。また設立場所も別の場所にして下さい。要するに裁判所から「名ばかり」と思われないことが大切です。

Q

破産後は私は年金収入だけ、ということですね?

A

基本はそうですが、今は免責決定が比較的早く出されます。免責決定が出れば復権となります。また破産後、個人的にコンサルタントや顧問の仕事をすることは差し支えありません。

原口 紘一(三多摩支部)
原口法律事務所
弁護士

TEL.03-3361-9633
FAX.03-3369-6664
E-mail : haragchi@f7.dion.ne.jp
HP : http://haraguchi-lawoffice.jp

戻るボタン
経営を磨きたい 経営の相談をしたい 交流したい 人を採用したい