マイナンバー対応のスタート(2015年9月)
Q
マイナンバーが10 月から配布されますが、これから準備するための手順や準備するも のは決まっていますか?
A
マイナンバーの準備は、年内で管理体制などを構築することが望ましいです。年内対応に向けて、企業における事前準備で重要なポイントは以下になります。
- マイナンバーの必要な事務と使用時期の確認
- マイナンバー収集対象者の確認と収集方法の決定
- 収集したマイナンバーの保管方法の決定使用する対象や時期が分かれば、対策は立てやすく、順番に対応していけば良い事が分かってきます。各内容については以下の通りとなります。
1.マイナンバーの必要な事務と使用時期の確認
① 雇用保険 資格取得届、資格喪失届
→平成28 年1 月1 日以降
② 税関係 給与所得の源泉徴収票、支払調書
→平成28 年12 月から平成29 年1 月
(但し、退職者には都度、給与所得の源泉徴収票を発送)
※年金事務所届出事務(厚生年金・協会けんぽ)については、平成29 年1 月以降からスタート予定。
2. マイナンバー収集対象者の確認と収集方法の決定
① 収集対象者: 従業員(常勤・パート)、報酬支払先、大家さん、株主
② 収集方法: 対面による収集、書面(封筒利用)による収集、メールによる収集
※中小規模事業者は、対面による収集を基本にし、本人確認書類の写しを保管しない手順が、管理上も進めやすいと考えられます。
上記の要件と、経験年数等の裏付け資料の有無を確認し、できるだけ早く申請に着手しましょう。
3. 収集したマイナンバーの保管方法の決定
① マイナンバー保管用のシステムを導入して保管
② エクセル・アクセス等の個別ファイルに保管
③ 書面のみの保管
※システムを使用することは必須では無いため、使用する件数・頻度・事務負担・コストを考慮し、保管方法を選定することが求められます。
上記の3 点が決定できましたら、収集実務を行うまでに、中小規模事業者向けの『マイナンバー取扱規程』を準備し、社内の管理体制(組
織体制の構築)を確認していきます。
事前準備と併せて、従業員に対しては、9 月中には一度、文書にて『マイナンバー確認事項』のような形で、住民票登録住所地と現住所地の確認や、マイナンバーの保管徹底、注意事項(他人に見せない、他人のものを見ない)等を通じて、周知していくことが望ましいです。
また、マイナンバーは使用頻度が基本的には年1 回の使用ということですので、各企業が負担するコストや情報漏えいのリスクを回避するために、マイナンバーの収集・保管・廃棄までの手順を全てアウトソーシングすることも、今後の検討課題になると考えられます。
このような形でマイナンバーに対しては、事前準備に十分な時間も残されており、また画一的な対応ではなく、それぞれの企業においてセキュリティ方針などで決められるものですので、幅広い選択肢の中から、各企業において記事の内容や今後出てくる情報を参考に取組を進めて頂きたいと思います。
森山 幸一(港支部)
森山社会保険労務士事務所
特定社会保険労務士
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