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経営者Q&A

妻に支給される遺族厚生年金(2014年2月)

Q

特別支給の老齢厚生年金を受けていた夫は、先日交通事故でなくなりました。  現在私は61 歳で特別支給の老齢厚生年金を受給しています。夫死亡により遺族厚生年金が受けられると思いますが、現在受けている年金はどうなるのですか。

A
年金には「一人一年金の原則」があり、同時に二つの年金を受給することはできませんので今受けている特別支給の老齢厚生年金か遺族厚生年金のいずれかを選択することになります。しかし、妻の納めた厚生年金保険料が年金額に反映されにくいということで、平成16年の年金制度改正により65 歳以上の妻は次のように改正されました。
 自分(妻)の老齢厚生年金を全額受給し、自分の老齢厚生年金が遺族厚生年金より少ない場合はその差額が遺族厚生年金として支給されます。但し、自分の老齢厚生年金が遺族厚生年金より高い場合は、自分の老齢厚生年金を受給し、遺族厚生年金は支給停止になります。
Q

遺族厚生年金の年金額はどれくらいになるのですか。

A
遺族厚生年金額は報酬比例部分の4 分の3 です。報酬比例部分の年金額は、厚生年金の加入期間やその人の平均標準報酬月額によって異なりますので、年金額も個人によって異なります。
 例として厚生年金に40 年ぐらい加入していた人の平均の報酬比例部分の年金額は約120万円ぐらいですので、この人が死亡した時の遺
族厚生年金は120 万円の4 分の3 で約90 万円です。
 その時18 歳未満の子がいれば遺族厚生年金の外に遺族基礎年金が支給されますが、18 歳未満の子がいなければ遺族基礎年金は支給されません。そのかわり老齢基礎年金の4 分の3(583900 円)が中高齢寡婦加算として支給されます。
 但し、中高齢寡婦加算は死亡した夫の厚生年金加入期間が20 年以上あることが必要です。
中高齢寡婦加算を受給できるのは夫の死亡当時40 歳以上65 歳未満の妻です。65 歳になると老齢基礎年金が支給されるようになり中高齢寡婦加算は支給停止になります。
 新法適用となった昭和61 年4 月に、すでに33 歳以上の人は60 歳までに基礎年金の加入可能年数40 年を満たすことができず老齢基礎年金の額が中高齢寡婦加算の額より低くなり、今まで受給していたトータルの年金額が減ることになり生活設計も大きく狂ってしまうので65 歳以降は妻の生年月日に応じて経過的寡婦加算が支給され、トータルの年金額が減少しないようになっています。昭和31 年4 月2 日以降生まれの妻には経過的寡婦加算の支給はありません。
 遺族厚生年金は、夫の報酬比例部分の4 分3ですが、その他その時の家族の状況によって遺族基礎年金や中高齢寡婦加算その他65 歳以上の妻には経過的寡婦加算が支給されます。

豊福 雅典(千代田支部)
豊福労務経営管理事務所
所長 特定社会保険労務士

TEL. 03-3264-6388
FAX 03-3264-4893

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