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経営者Q&A

変形労働時間制にすれば、時間外勤務が削減できますか(2011年9月)

Q

当社は月末の1週間が多忙です。その間は勤務時間を通常の所定労働時間(9時から18時)より長めに設定し、それ以外は定時ないし、それより短い勤務時間に予め定めることで、時間外勤務の削減ができると聞きましたが、詳しく教えて下さい。

A

こうした制度を「変形労働時間性」と言いますが、活用すれば、法定の勤務時間(1日8時間、1週40時間)を超えても時間外勤務には該当しませんので、会社としては助かります。他方、社員の方では、勤務時間が毎日一定していませんので、リズムがなく不規則な感が否めません。おまけに、得ていたはずの時間外手当も付きません。
利用度の多い1ヶ月単位の変形労働時間制では、1ヶ月を平均して1週間当たりの労働時間が40時間以内と言う条件を満たせば、特定の週に40時間、特定の日に8時間を超えて勤務時間を設定しても、その範囲内なら時間外勤務にはなりません。
実施にあたっては、社員が10人以上いる職場(正社員、パートの区分にかかわらず)では、所轄の労働基準監督署長に就業規則の届出または労使協定の届出が必要です。制度促進の為に、いずれかを選択できるのです。他方、社員が10人未満の職場では就業規則の作成・届出義務そのものが法律上課されていませんので、届出をしなくてもかまわないのです。就業規則に準ずる文書を作成し、これに規定すれば足ります。しかし、準ずる文書を作成する方法をとらなかった場合は、社員の過半数代表者との協定が必要ですから、10人未満の職場でもその際は所轄の監督署長に届出が必要になります。概ね社員の同意を得て実施すると考えて下さい。
制度設計の留意点は次の点です。①1ヶ月の変形期間と定めることの宣言②1ヶ月の変形期間の1週間の勤務時間が平均40時間を超えないことです。この超えるかどうかの判定は、暦日数に沿って1ヶ月の総労働時間の枠に従います。例えば、31日の月であれば総労働時間の枠は40×(31÷7)=177.1時間です。この意味は31日の中に平均し1週間が何回あるか計算し、これに法定の週40時間を乗ずることにより枠になる総労働時間を算出しているのです。次に③各日の勤務時間(始終業時刻)を予め定めておくことです。当日になって、「今日は夜9時まで働いて欲しい。その代わりに明日は3時にあがっていいよ」という場当たり的対応は認められません。そして、最後に④変形期間の始まりを明記します(例えば毎月1日起算)。実務上は、社員に月間カレンダーを配布することで周知徹底をはかることになります。
確かに、月末のみ定時を長時間にすれば、時間外問題は改善されるかもしれませんが、社員にとって時短等が実感できる制度にすることが肝要です。

石田 仁(豊島支部)
双経営コンサルタント
(協同組合DDK 専務理事)
TEL.03-3980-8298
Mail:Ishida@ddk.or.jp
http://www.ddk.or.jp

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