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経営者Q&A

業績不良により社員を解雇したいのですが?(2008年8月)

Q

当社は、業績不良により社員数人を解雇したいと思っていますが、どのような手続きが必要でしょうか?

A

お尋ねの件は、整理解雇についての事と思います。「整理解雇」の目的は、事業の継続が思わしくないことを理由に再構築(リストラ)をし、人員整理を行うことで事業の維持継続を図ることにあります。この用語や定義ができたのは、過去の裁判や実績から、裁判所が下した「整理解雇の4要件」によるものと言われています。これにより、労働基準法は平成15年の改正で「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」との条文が(法18条の2)が追加されました。

Q

「整理解雇の4要件」とは、どのような内容なのでしょうか?

A

「整理解雇の4要件」とは次の通りであり、この要件にすべて適合しない場合は、無効(不当解雇)と解されます。
(1)人員整理の必要性
余剰人員の整理解雇を行うには、人員削減をしなければ経営を維持できないという必要性が認められなければなりません。
人員整理は基本的には、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、その必要性の判断には慎重を期すべき必要があります。
(2)解雇回避努力義務の履行
期間の定めのない雇用契約においては、人員整理(解雇)は最終選択手段であることが要求されます。
例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力がなされ、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要があります。
(3)被解雇者選定の合理性
解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的・公平でなければなりません。
(4)手続の妥当性
整理解雇については、手続の妥当性が非常に重視されます。例えば、説明・協議および納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされます。

Q

整理解雇を実施にする場合、どのような事に注意したら良いのでしょうか?

A

整理解雇の4要件は、整理解雇を行なうことについての必須要件であります。それらの条件を満たせば整理解雇は可能ですが、最近は解雇について、就業規則に明記することが定められました。このことより、整理解雇についても、就業規則に明確な記載が無ければ無効となります。

戸室 康廣(中央区支部)
戸室労務管理事務所
社会保険労務士
TEL.090‐3330‐6203

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