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経営者Q&A

労働時間等の規制の 対象とならない「管理監督者」の範囲は (2007年10月)

Q

当社では係長以上の役職者には、それぞれのランクに応じた一定の役職手当を支給していますが、 係長以上は管理監督者にあたるとして時間外手当てを支給していません。
ところが先日、係長Aは係長は労基法41条にいう管理監督者には該当しないとして時間外手当の支払いを請求してきました。支給しなければならないでしょうか。時間外手当を支給しなくてもよい管理監督者の範囲を教えて下さい。

A

当社では係長以上の役職者には、それぞれのランクに応じた一定の役職手当を支給していますが、係長以上は管理監督者にあたるとして時間外手当てを支給していません。
ところが先日、係長Aは係長は労基法41条にいう管理監督者には該当しないとして時間外手当の支払いを請求してきました。支給しなければならないでしょうか。時間外手当を支給しなくてもよい管理監督者の範囲を教えて下さい。役職手当を支給されているというだけで管理監督者に該当するとはいえません。労基法でいう管理監督者の範囲について行政通達では「一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず実態に即して判断すべきである。」としています。このように、管理監督者であるかどうかの判断は、労務管理方針の決定に参画し、経営者と一体的な立場にあること、自己の勤務について自由裁量権があり、出勤、退出などについて就業規則上の厳格な制限をうけない地位にあり、給与面においてもその地位にふさわしい待遇がなされていること等の条件を満たしていなければなりません。
ご質問の係長A氏については以上のような条件が満たされていない場合は基準法でいう管理監督者に該当しませんので、時間外手当を支給しなければなりません。
ごく最近ですがある企業に労働基準監督署の調査がはいり、課長以下の管理職に時間外手当が支給されていないことが指摘され、管理職にも時間外手当を支給するよう指導がありました。管理職に時間外手当を支給していない企業もこれを機会に管理職に時間外手当の支給を検討していただきたいと思います。

Q

時間外手当支給の対象とならない管理監督者についても深夜労働をしたときは、深夜手当を支給しなければならないと聞きましたが、支払いは必要でしょうか。

A

管理監督者については適用が除外されるのは、労働時間、休憩および休日についてであり、深夜労働については適用除外にはされていません。従って管理監督者であっても、深夜労働をさせたときは、25%の深夜手当の支払いが必要です。一般労働者の場合は、所定労働時間を超えた深夜労働については、所定労働外時間の125%と深夜労働の25%を含めた150%の支給が必要になりますが管理監督者の場合は深夜労働に対する割増賃金、つまり25%のみの割増賃金の支払いは必要です。

豊福 雅典(千代田支部)
豊福労務経営管理事務所
特定社会保険労務士
TEL.03-3264-6388

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