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経営者Q&A

今、話題の「成年後見制度」について(2006年1月)

Q

成年後見制度について説明してください。

A

平成12年4月、従来の禁治産・準禁治産制度に代わって、新成年後見制度がスタートしました。この制度の趣旨は、精神上の障害により判断能力が不十分になったため、法律行為や社会生活において意思決定が十分にできなくなった人の、生命や財産等を守ることにあり、法定後見と任意後見の二つがあります。

Q

法定後見について説明してください。

A

民法第838条~に定められている制度です。
この制度は、現に認知症等により、正常な判断能力を欠いているとみなされる者(医師の診断による)を被後見人としようとする場合のことを言います。この場合には、成年後見用の特別な診断書(家庭裁判所提出用)が必要となります。
つまり、判断能力のない本人に代わって後見人を選任しようというのですから、ある程度の厳密さが要求されます。
その第一が、前述の医師の診断書です。
第二に、その診断書を添えて家庭裁判所へ「後見開始申立書」を提出します。結論が出るまでに3ヵ月くらいかかります。また費用も20~30万円を要する場合があります。

Q

任意後見とはどういう内容ですか。

A

平成12年4月に施行となった「任意後見契約に関する法律」により実施される制度です。
これが従来とは全く異なる新しい制度ということで、後見制度全体を「新成年後見制度」と呼んでいます。
最大の特徴は、本人(任意後見契約の委任者)が元気で正常な判断能力を有するうちに、自分自身の意思で、将来の後見人(任意後見受任者)を選任し、その者(法人も可)と委任事項を協議し、公正証書による契約書を作成しておきます。この契約は法務局に登記されることとなります。
第二の特徴は、契約者本人に精神上の障害により正常な判断能力が不十分な状況になった時に、本人または任意後見受任者等の請求により、任意後見監督人(先の契約書に候補者を記載しておく場合が多い)を選任する。
この任意後見監督人が選任された時より、任意後見契約がスタートすることとなります。

Q

同友会会員としてどのようなかかわり方が考えられますか。

A

後見人になることは、原則として条件はありません。法人もなれます。もちろん、それなりの法律知識などは必要とされるでしょう。
しかし本当に大事なのは、”被後見人のために尽くしてあげたい”という誠意が必要です。いくら知識が豊富でも、それを悪用するようでは論外です。身近な人にこの制度の存在を広めていくことが、社会貢献の一つになると思われます。

三浦 繁(北支部)
税理士法人アプト会計事務所代表社員
TEL03-3903-7501 FAX03-3903-7504
e-mail:apt-kaikei@tkcnf.or.jp

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