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経営者Q&A

金融商品の選び方(2004年9月)

Q

銀行から借り入れがあります。金利が上がりそうだということで、いろいろ金利のヘッジ商品を売り込まれています。どう考えたらいいでしょうか?

A

金融商品は規制緩和などもあり、かなりの数が出回っています。それをすべて知ることは非常に困難だと思われるので、選ぶときどう考えたらいいか、どう対処したらいいかという観点で考えてみます。
固定金利を安くするといわれる場合もありそうですが、インフレが見込まれる時期に固定金利を変動にすることもないでしょうから、変動金利で借りておられることを前提にお答えします。
まず、現状の金利負担を含めた必要資金量がどの程度あるかを知ることです。現状ですでに必要資金量が借り入れをしないとまかなえないのであれば、金利を問題にする段階ではないと思います。
現状での余裕がわかれば…例えば、現状で金利100万円と元本300万円返済していて、資金の余裕があと年間300万程度あるとすれば、今後の予測とともにどの程度なら返済資金にできるのかを考えたらいかがでしょう。
もし、今後も同じ程度の状況でいけるなら、他の設備(お店などの)投資案件がない限り、300万が返済の最大値です。この300万が何%の金利に対する返済にあたるのかを逆算します。そしてそれが、固定に移した場合の最大許容金利となるはずです。
ただし、この同じ程度でいけるならというのが商売の最大の面白みであり不安要素でありますから、ヘッジをかけた場合の返済期間や全体資金量をよく見る必要があります。
今後の金利がわからないように、今後の売り上げも変動要素です。そこで、提案があった場合こちらからカウンターの提案をしたらいいと思います。
つまり、「年間300万円の返済資金がある。これを財源として現状の変動金利を固定に変えたいのだがどういう設計になりますか。また、その際に払う手数料を含めて、必要資金量を出してください。その資金量は、今後1年以内(3年以内)に金利がどのくらい上がった場合と一緒ですか?」と。5年以上の期間を考えることは意味がないと思います。なぜなら、もしまた金利が変動したら、再度考えればいいのですから。
そう考えると、解約条件も重要なファクターになります。
難しい案件が出た場合は、自分の状況を考えて売り込んだ相手にオファーを出し、自分でわかる範囲であれば判断し、そうでなければ乗らないことです。個人もそうですがこれから商品構成が増え、自己負担を問われる場面が増えると予想されますので、ますます自分の判断基準を持ち対処することが必要になると思います。

鶴田勝巳(三多摩支部)
しくみ工房・鶴田勝巳税理士事務所
税理士Afp 英国会計学修士
TEL.0426-67-0937
katsumitsuruta@excite.co.jp

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