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経営者Q&A

新分野を切り拓くには(2003年4月)

Q

社員10人はどの製造業ですが、親会社からの仕事は減る一方で、このままでは会社は消滅してしまいます。なんとか新分野を切り拓かなくてはならないのですが、どう進めたらよいのでしようか。

A

転換期にあたり御社のようなケースが増えております。新分野への進出にはつぎの3方式があります。
(1)現在の製品をべ一スに新しい市場を発見し進出する(市場開発)
(2)現在の市場に向けて新製品を開発し展開する(製品開発)
(3)新しい市場に新しい製品を展開する(多角化〕
現在の顧客状態や自社の技術などから、まず、新市場を開拓するのか、新製品開発を目指すのかを考えます。今までに全く関連のない分野への進出はリスクが大きいからです。しかしどちらも可能性がないとなれば、リスクは大きくとも「多角化」を目指すことになります。

Q

当社の場合は、得意先が縮小傾向で今後の受注拡大は考えられません。新市場を開拓しなければなりませんが、その場合、どのように進めれぱよいのでしょうか。

A

御社の現在の製品や技術がどのような分野に強みがあるのかを考え、また別業界の知人に尋ねるなどしてなんらかの糸口を発見することです。顔の広いコンサルタントなどに相談するのも一つの方法です。その際、変化の激しい市場の方が発見しやすいものです。なかなか簡単に見つかるものではありませんが、何か、「不便なもの」「改良の可能性のあるもの」など潜在ニーズを発見したら「顧客はこんなものを求めているのではないだろうか」と「仮説」を立て、試作品を作り、提案します。この「仮説→検証」のサイクルを、素早く、何回も回すことが大事です

Q

今まで、新しい得意先を探すにしても、同じ業界、つまり同じドメインで考えるのが良いと教わってきましたが、その点はどうでしょうか。

A

確かに一つのドメインを追求するのが望ましいのですが、今のような転換期にはその分野全体が衰退業界ということもあります。ですからもっと柔軟に考えることが必要です。金沢の「芝寿し」(持ち帰り寿司・売上36億円)は、前身の電器店の頃、電気釜の実演販売をしていて、大量に炊きあがるご飯を無駄にしないようにと考えたのが事業の始まりでした。現実の事業は、このような形で生まれることもあるものです。ともかく「ピンチはチャンス」の言葉どおり、ピンチの中でヒット商品をものにした企業は少なくありません。「仮説検証サイクル」をどんどん回してチャンスをつかんでください。

根本 寛(目黒支部)
近代経営研究所代表、中小企業診断士
TEL045-972-1480
http://www.kcon-nemoto.com

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