少人数の会社でも関係する? 法定雇用率引き上げと中小企業の備え(2026年6月)
社員30名ほどのソフトウェア開発会社を経営しています。このたび障害者雇用率が変わると聞いたのですが、どういうことか教えてください。
法定雇用義務の拡大
2026 年7 月1 日から法定雇用率は2.7%に引き上げられ(+ 0.2%)、従業員が37.5 人以上の企業が雇用義務の対象となります。
従業員30 名規模の御社では、現時点では法的な雇用義務はありませんが、今後の人員増や制度改正によって、数年以内に対象となる可能性は十分にあります。

一方、見方を変えると、自社に合った形を試行錯誤できる“準備期間”とも言えます。
実務的に見ると、障害者雇用は「義務が発生してから対応する」よりも、その前から少しずつ取り組む企業の方がうまくいく傾向があります。
早い段階から、例えば職場実習の受け入れなどを通じて実際に障害のある方と接する機会を持つと、「どのような配慮があれば力を発揮できるのか」「自社の業務との相性はどうか」、「現場の社員が無理なく受け入れられるのか」といった具体的なイメージが持てるようになります。こうした経験の積み重ねが、無理のない雇用につながっていきます。
障害者雇用にとどまらない効果
また、こうした取り組みの本質は、単に障害者を雇用することだけではありません。
実際には、一人ひとりの特性の違いを踏まえて仕事を設計し、関わり方を工夫するという経験を通じて、社内の雇用管理の質そのものが高まっていきます。
障害者雇用というと特別なものに感じられがちですが、本質的には、通常の人材マネジメントの延長線上にある取り組みです。
むしろ、担当業務の切り出しやそれに伴う役割分担の見直し、指示の出し方の工夫などは、他の社員にとっても働きやすさの向上につながります。
まずは小さな一歩から
もちろん、いきなり採用や体制整備まで進める必要はありません。
・職場実習を受け入れてみる
・ハローワークに相談する
・既存業務の中から「切り出せる単純作業はないか」を洗い出してみる
といった「小さな一歩」から始めることが現実的です。
まだ義務がないからこそ、多様な人材が活躍できる組織づくりや人を活かす経営を実現するための第一歩として、今から少しずつ取り組んでいくことが、将来に向けた確かな経営の備えになります。
(詳しくは専門家部会7月例会にて 日時:7 月9 日18 時半~ 於:東京同友会会議室)
木下 文彦(世田谷支部)
ラグランジュサポート株式会社
社会保険労務士・中小企業診断士
TEL:03-6824-5741
HP:https://lagrange-s.com
e-mail: fkinosita@lagrange-s.com
事業内容:各種コンサルティング
(障害者雇用・職場環境改善・採用定着支援など)












