職場の秩序を維持するために 懲戒処分を検討する際のポイント(2026年10月)
Q
社員数30 名程度の販売業の経営者です。何度注意しても、遅刻や当日になっての欠勤を繰り返す社員がいます。懲戒処分をしたいのですが、どう進めればいいですか。
A
上司の指示に従わない、正当な理由がない遅刻や欠勤が多い、など問題行動を繰り返す社員を放置することは、真面目に働く社員のモチベーションをさげ、会社への信頼も失わせることがあります。職場の秩序を維持するためには、必要に応じて懲戒処分を行い、非違行為は許さない、という会社の姿勢を示すことが大切です。
懲戒処分を行うには、就業規則にそのルール(懲戒の種類や対象となる事由など)が定められており、社員に周知されていることが前提となります。その上で、次のような手順を踏む必要があります。
- 注意・指導の積み重ね(服務規律違反)
社員が会社の指示に反する行為を行った場合、まずは口頭注意をし、改善させる機会を与えます。が、改善されない場合は指導書などの文書で指導を行います。その際に大切なのは、改善してほしい行為を具体的に伝えることです。
✓ 服務規律の「勤怠不良」に該当する
✓ 頻繁な遅刻、当日欠勤(無断欠勤含む)
また、会社は、口頭注意、文書指導を行った記録を必ず残してください。 - 懲戒処分の検討
注意・指導を重ねたのに違反行為が改善されない場合は、懲戒処分を検討します。その際、社員の非違行為を立証できるか、その非違行為が懲戒事由のどれに該当するか、非違行為と懲戒処分の重さのバランスは適当か、を考えることが重要です。
①一般的な懲戒の種類
✓ 戒告、譴責
✓ 減給
✓ 出勤停止
✓ 降格
✓ 諭旨解雇
✓ 懲戒解雇
②一般的な懲戒の事由
✓ 正当な理由がない遅刻・早退、欠勤(無断 欠勤)、職場離脱
✓ 業務命令違反
✓ 職場秩序を乱す(各種ハラスメント含む)
✓ 情報漏洩(会社の秘密情報、個人情報等)
✓ 職務上の金品授受禁止
※懲戒の事由は、服務規律とリンクしていることが多いです。 - 弁明の機会を与えたあと懲戒処分を決定する
弁明の機会は、社員に対し非違行為を認めるのか否か、もしくは非違行為を行ってしまった事情などを説明する機会を与えるものです。社員からの弁明を聞いたあと、最終的な懲戒処分を決定します。
問題行動を繰り返す社員に対して注意・指導を積み重ねるには時間と手間がかかります。ですが、これをせずに社員の行動が改善されることはありません。日々、社員に向き合っていくことが大切です。詳しくは専門家部会11 月例会にて 2026年11 月12 日18 時半~ 於:東京同友会会議室
渡辺 明子(墨田支部)
Anna人事労務サポート
特定社会保険労務士
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