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中小企業家群像

良い会社を目指して 30年かけて株式上場を実現! 苦しみに耐えてこそ、叶う未来がある
株式会社日宣 大津 穰 氏(千代田支部)

株式会社日宣(千代田支部)

取締役会長
大津 穰 氏
東京都千代田区神田司2 丁目6 番地5 号
日宣神田第2 ビル
創  業 1947 年
設  立 1953 年
資 本 金 3 億2030 万円
社 員 数 120 名
業務内容 マーケティング戦略立案、クリエイティブ開発、媒体発行、媒体管理業務・媒体開発、印刷業務、プロモーション業務、テレマーケティング
瀟洒なビルの応接フロアは、お祝いの花で春真っ盛りであった。社長職をご子息に承継して今や会長職の大津穰さん。「同友会の会員は日経新聞を読んでいないのでは」開口一番、手厳しい指摘をいただいた。この2月17日付、日経新聞で同社がJASDAQ市場に上場したのを知り今回の取材になった。

取締役会長の大津穰氏が前任の社長に就任して株式公開を目指したのは昭和57年6月のことである。それまでは創業者の父健二郎氏と喧嘩ばかりしていたと言う。経営を引き継いで改革をめざすことは、ことごとく反対されたとのこと。

東京本社と大阪本店を往復する日が続き業績をあげるのに夢中だった日々。同友会の理念に学び稲盛和夫氏の盛和塾に傾倒する。

会社を発展させ社員の処遇を充実させるには、株式を公開することと、ひたすら信じて今回やっと実現できたと表情に充実感が漂う。持株会制度が成果をあげ、今回の上場で社員に億万長者が数人でたそうだ。これこそ社員にとって何よりの報酬であった筈。実現してこの大きな喜び。

「5勝1000敗です」。最強のライバルであり同業の競争相手である電通との勝敗。それでも五勝したので今がある。と、大津さんの表情は緊張感のなかに過ぎ去った景気の変動と業績の成長を写しだして、かすかに動くのである。会話のなかに経営者の人生が鏤められて雄弁。

創業七〇周年を迎えた同社はセールスプロモーションを主体に住宅メーカーや医療・健康・製薬会社など広範なユーザーに付加価値の高い広告販促を提供する。

直近の業績は売上高45億円を超え経常利益は4億円弱に達する。半年以上をかけた経営方針書づくりは今、その具体的成果を株式の公開達成に、存分に力を発揮している。

「志を高く失敗にめげず」を胸に刻んで努力してきた氏は千代田支部の支部長を6年間務めておられる。先進支部での同友会をまとめられて疾走してきただけに叱咤激励の言葉に熱がこもる。

何ごとにも思い立ったら熱中する大津さん。プロペラ機で35日をかけ世界一周したのがきっかけで、自分で操縦したいと59歳のときにアメリカでセスナ

機の操縦資格を見事に取得する。「当たってくだけろ、ではなく当たって成功させる」がモットーの氏は人のやらないことに挑戦し続けてきたのだろうか。

資料により沿革をたどると平成28年8月に日宣神田第二ビル落成に伴い東京本社を移転(千代田区神田司町)。平成25年6月優良申告法人として神田税務署より表彰。平成22年11月スマートフォンアプリ電子番組表「テレビ番組欄」開始。平成20年3月現代表取締役社長大津裕司氏就任。そして昭和22年4月創業者大津健二郎が神戸市にて宣伝五洋社として創業、とある。歴代三代に亘って引き継がれ、その成果を語る大津さんに経営者の汗が吹きこぼれる。
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