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中小企業家群像

世界トップのエレクトロニクス企業を支える! 熱設計のプロ集団
キーナスデザイン株式会社 橘 純一 氏(三多摩支部)

キーナスデザイン株式会社(三多摩支部)
代表取締役
橘 純一 氏
東京都東大和市立野3 丁目1344 番地12 号
設  立 2006 年
資 本 金 600 万円
社 員 数 10 名
業務内容 電子機器の冷却・温調装置の設計・製造・販売測定器、半導体テスターの周辺機器・測定治具の設計・製造・販売

西武新宿線玉川上水駅から、広い都立東大和南公園を抜けて、キーナスデザイン㈱を訪問した。

応接室に案内されて、洒落たコート掛けに外套をかけ、早速話しに入った。大学の機械工学科を卒業して、社員50人程の中小企業に就職し、その後、外資系の一般的にはエクセレントカンパニーと呼ばれる会社に転職する。そこでの米国やドイツの技術者とのやり取りで主張しないと主導権が持っていかれる経験をした。又、常に新しいアイデアを出し続けなければならない状況も経験して自分自身のスタイルが確立できたと話される。

起業は大学生の頃から視野に入れており、2006年に自宅の一部屋からスタートした。豊富な電気知識を活かし、半導体メーカーのラインに使うための超高速ミクロン単位の部品の測定に対応する器具治具を開発製造する会社を設立する。その後JEDEC(アメリカ規格)JEITA(日本規格)といった規格試験に対応する温調機(PELNUS)など、従来の外国製大型機から小型卓上の画期的商品を次々に開発。今では「ホームページから問い合せも多くなり、ありがたいことですが…」と前置きし「半年ぐらい先までの仕事があり対応できない状況です」と申し訳なさそうに話される。

同友会への入会は2009年。採用を真剣に考えるようになったため。早速33期の経営指針成文化セミナーを受講、同期には、現町田支部長の茶谷武志さん(町田支部)吉峰文男さん(豊島支部)がいた。

共に学び、やっとつくった経営理念は「感謝・誠意・感動」。「それ本当に心からそう思っているの」といった厳しい質問を受けながら、業界の常識にとらわれていた自分が発見でき、今も大変役に立っているとのこと。

「キーナスデザイン」という会社の名称はどういう意味ですかと問うと、「KEENとは鋭いとか、よく切れる、熱心なという意味ですが、その後に私の好きな食べ物ナス(NUS)を入れた造語です」と笑う。「ロゴマークもよく見て下さい。星のように見えるのはナスのヘタです」と。このロゴデザインは純一さんの弟さんの作品で、「スタジオタチバナ」という鍛金芸術の会社を運営しており、ミキモト本店の壁などの作品があるという。「実は、そこのコート掛け、弟の作品なんです」そして会社案内の商品ページを指さして「このコネクタ用トルクドライバも一本一本弟の会社で手づくりしているんです」。
この治具一本5万円位するが、外国製は10万円。よく売れているという。

休日の過ごし方、以前はトライアスロンをやっていたが最近のマラソンブームでなかなかエントリーが難しくなり、試合が決まらないと練習にも実が入らなくなった。もう一つの趣味は沖縄三線(サンシン)。ただ家族からは歌がヘタだからと言われ、口が塞がるミニトランペットを吹くことになったという。三多摩支部の忘年会に家族演奏の出演もしているとのこと。
これからの展望について尋ねると「10年の間に50人の社員で30億円の規模に。そのために同友会の諸先輩から智恵を借りて、社内の体制をつくっていきます」と笑顔が輝いた。

最後こんなお話しを伺った。「今取引している先は、世界のトップ企業。その企業の人たちが次の時代を見すえて商品開発している。だからその企業についていくことは最先端技術についていくことになる。その方たちの困りごとを解決して支えていける企業、世界トップのエレクトロニクス企業から選ばれるエンジニア集団としての研鑽を続けます」と。頼もしき精鋭と出会った。

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