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中小企業家群像

社員とともに育つ会社へ ~企業も人も、人でしか磨かれない~
株式会社ディレクターズアイエスビー 磯部 泰司 氏(墨田支部)

株式会社ディレクターズアイエスビー(墨田支部)
代表取締役社長
磯部 泰司 氏
東京都墨田区両国3-21-16
 ナカヤビル5 階
設  立 1992 年
資 本 金 1700 万円
社 員 数 12 名
業務内容 アパレル商社・インターネット販売

JR両国駅、京葉道路沿いの「芥川龍之介の旧居地」そばに㈱ディレクターズアイエスビーがある。
父君である磯部満氏(現会長)が、アパレル会社勤務ののち、1992年に衣料品卸の会社を創業。現在の業務は、ミズノやチャンピオンといったスポーツブランドやタウンアンドカントリーといったカジュアルブランドウェア・作業現場やオフィスのユニフォーム等を量販店・専門店に卸している。

磯部さんは1973年生まれ。大学時代は百貨店で接客販売のアルバイトをしていた。バブル期で、閉店後、先輩の社員達と終電まで飲み歩く日々を過ごしていた。しかし一九九六年、卒業時には就職氷河期、父の会社に就職する。ブランド品はブームに火がつくと飛ぶように売れる。サーフィンのカジュアルブランドがそうで、この商品を扱っていれば「ずっと会社が成長できる」と思ったが、急に売れなくなった。アパレルの怖さを知る。

そんな時に当時墨田支部長だった長澤眞也さん(㈱ウェルネスダイニング)から同友会を薦められる。以前から先代とも知り合いで、長澤さんは当時、㈱ウェルネスというバラのネット販売で成功、その話を聞くために先代と二人で訪問した。その際「息子さんを入会させて勉強させたら」と言われ入会したのが2008年のこと。2010年33期成文化セミナーを受講し、経営指針(理念・方針・計画)の大切さに気付く。2012年から共同求人委員会の合同企業説明会に参加、先輩会員から「新卒はかたまりで採れ」と言われ、何も考えずに3名採用、次の年も2名採用した。2013年7月、社長に就任する。磯部さん40歳。社内の空気が良くないと感じることが多くなった。「社員さんがなぜ自主的に行動しないのか」と悩む。人を育てる風土がないと気づく。考えた末、同友会の教育委員会に参加し、社内研修を始める。「教育ではなく、共育」と少しずつ学んだ。人づくり、組織づくり、企業づくりに心を砕く時間となった。人間学を探求する雑誌「致知」とも出合い、自らを磨くこと、質を高めることが大切だと感じた。

墨田支部の前支部長でもある磯部さん。その経験からも多くを学んだ。「支部の皆さんに支えられ育てられました。支部長をやらせてもらって本当によかった」と感慨深げに語る。

取材に同席した岡野景子さんは墨田支部長時代に同じく三多摩支部長だった。「会員増強ではいいライバルでしたね」と笑う。田中勇介さんの質問「これから、ユニクロのような自社ブランドを考えていますか」に「アイエスビーブランドですね。将来展望には入っています」と力強く答えられた。会社経営をし、支部運営を経験する中で、「人は、人によってのみ磨かれるのですね」と少しはにかみながら話される磯部さんに、人格見識を備えた立派な若き経営者だと感じた。

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