規格を運用するのはひと。 社会・組織が求める人材育成を。 ~ISO、国家資格、HACCPの研修・監査業務をサポート~
株式会社グローバルテクノ 砂川 清榮 氏(中野支部)
株式会社グローバルテクノ(中野支部)
代表取締役社長
砂川 清榮 氏
設 立 1993 年1 月
(前身法人1989 年からの名称変更)
資 本 金 1000 万円
業務内容 ISO 関連の教育、ISO 審査員の養成、
内部監査員の養成
従業員数 運営スタッフ20 人、委託専門講師60 人、委託監査員10 人
グループ売上高 10億5 千万円(2019年決算)
住所 本社/ISO 研修センター
東京都新宿区下落合1-5-22 アリミノビル4階
「高度成長期からの努力が実り、日本製品の高品質が定着した90年代初頭。経済のグローバル化が促進しはじめた時期でもありました。日本経済、日本企業の絶頂期でしたね」と手元を見つめる砂川清榮氏。
「私も人生で想いを動かした時期と重なります。品質保証・管理・検査業務に従事してきた経験を生かし、会社を設立したのが1989年。その後、株式会社グローバルテクノに改名。ISO審査員研修事業を軸にして現在の事業を開始。1993年1月のことでした」。
「業務の軸である国際規格ISO9000シリーズ。当時、この品質保証規格は経済のグローバル化のパスポートとして各国で注目を浴びるようになっていました。私もアメリカに渡り、ISO9000審査員の集中コースを受講。専門家と白熱した議論を重ねる時を過ごし、主任審査員となりました。その後、日本人講師として承認を受けます。国内にISO9000を広めるべく無我夢中で取り組みました。キャッチフレーズは“日本人講師による日本人のための審査員コース”でした」と目元がゆるむ。「以来、30年にわたり、幸運にも会社は黒字決算を継続しています」と砂川氏。
「自分だけの能力に頼る個人業から会社組織にしたのも30年前。他の優秀な人の力を結集すれば経済的にもっと良い環境を作り上げることができると確信したからです。その中で縁あって東京同友会、そして盛和塾と出会いました。私は同友会の三つの目的が大好きです。覚えやすく、分かりやすい。経営理念のアドバイスをくれたのも同友会の仲間でした。日々悩みが生じて、スッと動くことができない。それを見ていた仲間が“砂川さん、形から入るという手もあるよ”と。それで当時の経営理念を作り上げました。現在は盛和塾での実践もあり、ここでのまとめを経営理念に。同友会で作った経営理念を経営方針としています」。
「同友会の魅力はいろんな考え方が尊重されること。たとえばシニア青春の会主催(発足は中野支部)で、座長が阿部敏夫さんの歴史勉強会中野アカデミー。十数年続いており、楽しみでほぼ欠かさず参加をしています。上杉鷹山による貴重な直筆資料『伝国之辞』もいただきました。額に入れ、社長室に飾っています。人生・経営の羅針盤です」とほほ笑む。
「生まれ故郷は宮古島。沖縄県の人口の約5%、5万人ほどの島です。誰にも負けない努力をするという島民の気質は、島の言葉でアララガマ魂と言います。上杉鷹山の“為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり”とつながりを感じます」。
「島育ちゆえか、外に想いを馳せることも多く。新卒入社するも早々に退職。1970年、カナダにわたり、クインズ大学で修士号(MSc・マスターオブサイエンス)を取得し、その後、研究助手・会社勤務で足掛け六年カナダで過ごしました。ここでの経験も経営に役立っています」。「ともすれば、品質保証の現場に携わる人材は自組織に埋没しがち。
よって同じ業務仲間が交流の場を持ち、広い視野を持つことは大切。当社においては毎日、朝礼で学びを重ねています。稲盛経営の要諦を輪読し、今年からは業務の基本である『マンガでわかるISO9001』『3時間でわかるISO14001』も加えました」と語る。
「鎧を身に着けるかのように学ぶことは尊い。一方、明治維新を生きた偉人たちはなにを見据え、学び、動いたのか。憧れますね。
だから私も日々勉強です。ISO は規格をつかさどりますが、本来、規格を定めそれを運用するには忍耐を要します。定めたことを運用するのは、ひと、ですから、心の学びは大切ではないでしょうか」。
「コロナ禍、集合型研修からオンライン研修へとシフトし、売り上げは40%の減少にとどめることができました。もちろん、新商品の開発で新たなニーズに応えることも忘れていません。この状況は残念ながらまだ続くでしょうが、本年度は現状維持ができればよいと考えています」。「幸いなことに長らく念願であった後継者も決まっています。私の経験が邪魔にならないよう、なるべく黙っているようにしています(笑)。彼らの時代は彼らが動かしますから」とやわらいだ目線を窓越しの神田川に向けた。