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中小企業家群像

相手に寄り添い、気持ちを汲む ~働く人と企業を結ぶありがたさ~
茶谷 武志 氏(町田支部)

株式会社経営支援
代表取締役
茶谷 武志 氏(町田支部)
【会社概要】
創 業 2007年 5 月
従業員数 36 人
事業内容 採用アウトソーシング(採用専門コールセンター/ 採用管理代行)・BPO
所在地 東京都町田市森野1-10-6
パールビル2 階
H  P https://www.keiei-shien.co.jp

「新卒で経営コンサルティング会社に入社し、田舎から東京に出てきたこともあり、雑草魂で頑張ってました」と微笑む茶谷武志氏。「その会社では採用関連の新規事業の立ち上げから、採用プロジェクトの実務担当まで全て採用に関わる業務を任せてもらいました。またバブル崩壊後ということで五十代の再就職支援も担当。20代の若造でしたが自分の親世代の相談に乗るという仕事で、人に寄り添う大切さを学ばせて頂き、本当に有難い経験でした」と穏やかな声が響く。
「当社は人材採用専門のコールセンター・採用管理代行を事業の柱としています。起点は前職での事業経験からです」と同社の設立経緯を語る。「実は新卒入社した会社から私が所属していた人事部門が分社化。ここから転機が」と続ける。「新会社では飲食業のフランチャイズ支援をしており、採用代行の仕事も行っていました。ここでは人事労務の責任者を経て、ある企業が大規模コールセンターを短期間で立ち上げるという採用プロジェクトを担当しました。その時に自社でも応募者対応のコールセンターを立ち上げることになったのです。スタッフ30名は在籍していたと思います。その後、事業再編が訪れて当時の仕事を離れるか、続けるかの選択を迫られ、仕事を継続する道、分離独立の道を選択しました。それまで人事の仕事に携わり、人に寄り添うことを知り、顧客に迷惑をかけたくない、またコールセンターで働く人の雇用を守りたいという思いが募り、当時の事業部長と私で経営支援を設立しました。2007年5月のことでした」と手元を見つめる。「会社設立後は発足直後から複数の事業を立ち上げていたのですが、しばらくすると目指す方向性の違いから事業が分かれて私の担当している採用管理の事業のみを残して今に至っています。採用といえば広告出稿して人を集めることに焦点が当たりがちです。ただ、私は採用広告で集まった応募者の対応を丁寧に、スピーディに整えることがクライアント企業の価値につながると信じていたので、応募受付管理という領域で事業を模索しました。会社設立して数か月後には私一人だけの役員。事業を受け継ぎ、年商は設立初年度が最高、それから8年間下がり続ける苦しい期間が続きました。やっと初年度を超えることができたのは10年目でした」

行動指針

「設立当初から大切にしているものがあります。それは当社の行動指針です。最初の年越し仕事の間にこれまでの人生を振り返って絞り出しました」と天井を見つめる。「経営理念は毎年見直しをしていますが、行動指針は私自身が大切にしてきた価値観を反映させていますので一度も変わっていません。
たとえば1番目は“顧客の価値観を共有すること”。つまり相手あっての仕事であり、常に相手の立場に立つことを記しています。これが原点にあり、顧客満足とは、プロ意識とはと、10個目までつながっていきます」「私は仕事中心で生きてきたのですが、CSには特にこだわりをもっていて、そのために必要な従業員満足度(ES)に力を入れてきました。その証が2009年には東京都ワークライフバランス企業認定であり、町田市からは第1回仕事と過程の両立推進企業賞になっています」。「職場環境を整えるのは私の仕事、スタッフには顧客に対して本当にいい仕事をしてもらいたい」と満面の笑顔に。

共感、感動、生み出す力

「人事の仕事はできて当たり前と思われる事が多く、ミスがあると厳しい評価に。ゆえに “当たり前” の大切さをスタッフと一緒に考える日々です」。「当社のコールセンタースタッフは、マニュアルもありますが、当事者だったらどんな対応をするかを考えて主体的対応が出来ることを大切に考えて仕事をします。これが当社の強みです」と嬉しそうに語る。「人工知能の発達で定型の業務は確かに減るかもしれない。でも共感、感動、そして生み出す力は人間が持つものです。そのため私自身、地域貢献にも触れながら感性を磨いております。会社として今後は採用だけではなく広く顧客業務の外部化をお手伝いしたい。当社には人に寄り添う力をもったスタッフがいますから」と明るい声が爽やかに広がった。

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