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中小企業家群像

人こそ、資産 共存共栄、切磋琢磨でお客様に貢献
是佐 正明 氏(中野支部)

株式会社クリーンテック
代表取締役
是佐 正明 氏(中野支部)

【会社概要】
設 立 1988 年 5 月 17 日
従業員数 社員40 名、清掃スタッフ約700 名
事業内容 ビル・マンション・各種施設など
建物全般の清掃作業および戸別ハウスクリーニング
所在地 東京都杉並区高円寺南4-5-7
DeLCCS 高円寺6F
H  P https://www.cleantech.co.jp/

創業から社名の由来

「創業から高円寺に構えています。兄である周と私が清掃業を始めました。高円寺はいまも昔も元気な街。若い力で会社も成長することができています」と是佐正明氏。「是佐(これさ)という名前ですが、広島県出身の父からは宮島の宮大工に是佐という名前が江戸時代から出ていると聞いたことがあります。とは言え地元でも多い名前ではないようです」と語る。
「父が東京に出てきてから私は生を受けており、創業前は外資の医薬品メーカーの営業職でした。一方で兄は大手不動産会社の管理部門におりました。日々の業務で、よい清掃会社がないというのが兄の課題だったそうです。であれば清掃会社を自ら起こそう、ということで兄35歳、私30歳で創業となりました」と振り返る。
「クリーンテックという名前ですが、いい加減な掃除はしないことが原点にありますので、しっかりと清掃技術を持つことを念頭にテクノロジーを。そしてクリーンの部分ですが、当初はヒューマンという言葉も想定していました。マンションやビルの日常清掃は現場スタッフが会社の顔になるので〝携わる人〞に焦点を当てたかったのです。しかし清掃の追及という原点や、人材業など他業種名との関係も鑑み、クリーンテックと名前を決めました」と是佐氏。

会社は誰のものか

「創業から12年目ほどの2000年に兄が東京同友会に入会。同業の森下彰さん(文京支部)からのご紹介でした。しっかりとした理念を打ち立てようと若手スタッフと試行錯誤をしていた流れも社内にありました」。「5〜6名の主力スタッフと話す中、それぞれが拠点を持ち、フットワークよくエリアをフォローしていこうという道筋が見えてきていました。そして、このような発想の転換が生まれます。単にエリアを分けるだけだと営業所になってしまう。そうではなく、社員になったからには社長(グループ会社)になろうという目標を共有することになりました。まっさきに社長になる、と手を挙げてくれたのは間宮孝洋君(渋谷支部)でした」と嬉しそう。
「その数年後に商法改正があり、現金資本ではなく、資産分割で創業が可能になりました。当社の営業エリアを4つに分け、共存共栄・切磋琢磨という考えで若い力と歩いていくことになりました」。「当時は米国経営手法が注目されている世の中にあり、会社は誰のものなのかは喧々諤々と議論を重ねました。基本はお客様のものだと思う…株主のために仕事をするのもどうなのだろう…株は公開してこそのものなのか…等など」と窓を見つめる。「そして、会社の株主と社員がマッチすれば理想的では、と。当社の社員やグループ会社が均等に株を持つというスタイルに至ったのです。清掃業務は、人こそ資産。だからこそ成しえた決定でした。また独立を選ばず当社に貢献してくれているスタッフにも配慮が出来たと考えています」と微笑む。

自主独立

「社長となって20年ほどが経ちました。同業他社には事業規模を大きくするために清掃以外にビルメンテナンスなど管理業務に拡げることも見受けられます。ただ、当社は創業より〝掃除以外はやらない〞という兄の強い想いを大切にしています」と場を和ませ、「清掃を追及するためには、グループ会社で品質を一定にしたい。この実現ためにISO を取得。コロナ禍まではグループ会社のコアメンバー40〜50名と月に一度勉強会も開き、切磋琢磨をしてきました。また、リモートワークにもよい面がありました。それは時短という勤務体系を成し得たことです」と語る。「しかし、現場スタッフを見るといまが一番厳しいかもしれません。日本全体に言えることながら、高齢化で人が集まらない、またそのコストも上昇の一途です」と手元を見つめる。
「幸い若手アルバイトの中には、自ずと面倒見がよいリーダーのような人材が現れてきます。彼らに声をかけながら気づいたことは、協調性よりも個性の比重が増してきている時代なのかもしれない、ということです。共存共栄、切磋琢磨は創業より大切にしてきた在り方ですが、グループ会社を目指していた中で生まれてきた自主独立の意味を改めて考えています。資産は人なり、ですね」と柔らかい中に、芯ある声が広がった。

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