奥行きと広がりに想いを馳せ、 安全かつ快適な「暮らし創造」に貢献
小倉 太郎 氏
株式会社オグラ
代表取締役
小倉 太郎 氏(江東支部)
【会社概要】
●本社 東京都江東区門前仲町1-13-10
●店舗 東京都江東区古石場1-9-14 1階
創 業 昭和23 年
従業員数 7 名
事業内容 建築金物、建築関連資材全般および鍵前、カギなどセキュリティ商材の卸売ならびにこれに付帯する業務
U R L https://ogr-corp.tokyo/
門前仲町、清澄通りの商店街に面する株式会社オグラ本社。地下鉄から地上に出るやいなや、訪問者を迎えてくれるのは昔ながらの音声案内による商店街の店舗宣伝。トーンとリズムが心地よい。創業から70年余り、江戸っ子である小倉太郎氏は同社の3代目。地元門前仲町の面影を含め、商いの話がとーんと進む。
「江東区には40もの商店街があります。でも商店街音声宣伝って、そういえば今はあまり聞かないかも。昔の当たり前がのこっている場所、それも門前仲町らしさ」と小倉氏。江東区は碁盤の目状に整備がなされているが、それは
江戸時代の交通網由来だそう。いわゆる大きな川も江東区を横切るものはなく、隅田川と荒川が北から南へとすっと流れる。水路や航路の視点で日本の歴史を語る学者や実業家は多い。江戸もしかりだ。
創業は昭和23年、小倉氏の祖父による。「祖父は千葉から兄弟で出てき、深川にて創業。次男である祖父がそこから小倉金物店として独立をしました」。「私たちは建築金物や建築関連資材を広く取り扱っています。一般的にカナモノというと調理器具を想像してしまいますが、建築関係の職人さんたちは自身が取り扱う道具をカナモノと呼びます」。江東区の東側、砂町や大島は多くの工場と併せて職人たちが働く。そして反対の隅田川寄りは食料品などの倉庫街が並び、南の木場には木材商が多く構え、大手を含めゼネコン工場もあった。「小さい頃の記憶ながら隅田川から入る運河には多くの木材が浮かんでいた記憶があります。そのような地場があり、祖父の代から多くの職人にカナモノを届けてきました」と語る。「もちろん地元の住人のみなさまの生活を支えられるような品ぞろえも心がけています。たとえば近年ですと非常食(備蓄食)でしょうか。味付けは普段使いできるような品質でして、ギフト贈呈にも適した商材になっています」。
創業より多くの商材を取り扱ってきているため、利用者がどのような場面で必要としているのかを想像しながら業務に向き合うことを心がけていると小倉氏。「仕事と生活の両面から人の動きを眺めていますが、地元の人も含めて動きが変わってきていると思います。仕事の面で言えば、この地から独立をし、地元に戻りながらもオグラをご利用いただけているのは有難いです」と嬉しそうに微笑む。社員さんとはITを活用しながら、情報を共有する場面を増やしている。なお現在、店舗は古石場(ふるいしば)という本店から徒歩10分ほど離れた場所にある。地名の由来は石切り場があったことからだそう。
ちなみに地元のお客さまとの信用はどのような場面で得るのであろうか。「私たちは住宅の修理・修繕も受けておりまして、その入り口は玄関まわりがまさに 〝鍵” になることが多いです。たとえば鍵の修理はご自宅の入り口の仕事ですから、誠実に対応できれば、そのほかのことを相談されるきっかけにもなります」。そうして地元での口コミも着実に広がってきた。業務以外では、お祭りの運営など町内会活動も大切なつながりだ。「町内には悲喜こもごもがあり、まさに家族のようなもの。ひとつ屋根の下にいるような感じ」、とひと息置いて清澄通りを眺める。
そんな小倉氏は学生時代、音楽活動に没頭してきた。「中学校の頃、日本は空前のバンドブームでした。その影響を受けて、響きが好きという理由でベースをはじめました」。大学ではメンバー20人ものビッグバンドに加入。ベースを手にした当初は自己表現ができるよろこびが先に立ったというが、ビッグバンドを経て、その場にいるメンバーでなにが出来るかをオーガナイズすることに関心が移っていった。ある意味、舞台を創っていくという観点で会社組織にも関心が向きはじめ、家業へと入ることとなった。
東京同友会入会のきっかけは事業承継を果たした40歳のとき。江東支部からのFAXDMを見てだった。「まわりには経営者仲間はいなかったので、さっそく参加。その熱量に驚きました」と語り、「そして、それ以上に衝撃的だったのは懇親会」。「ゲスト参加だったにもかかわらず、懇親会であれこれ経営の話をした際、目の前の経営者から〝小倉さんの会社、もうつぶれそうだねぇ”と言われたのです」と小倉氏は笑う。この言葉をもらったがゆえ、同友会に入る決意をし、成文化セミナーを経て、現江東支部長を務める10年間があるという。「入会後はなるたけ他支部にも参加をするようにしました。とにかく、〝人”がおもしろいんです、同友会は」と熱い。
街の息づかい、お客さまとの会話からなにを求めているかを予測する相対、そして住まう人たち、まわりの人たちとの日々。「そのときいるメンバーで出せる響きを思い描くこと、そしてそれを楽しむことが大切」と小倉氏。自ずとあふれ出る日常の音が今日も清澄通りを流れていく。












